文春オンライン

「ユーチューバーはテレビの未来を担うか?」小説家・高橋源一郎の“生活と意見”

テレビっ子・高橋源一郎インタビュー #3

note

どうして『志村どうぶつ園』は長寿番組なのか?

―― じゃあ、今、お子さんとご一緒に観ているのはYouTubeがほとんどですか?

高橋 でも、『イッテQ!』と(『ザ!鉄腕!DASH!!』の)「DASH村」は彼らも観たいと言うので観てますね。面白いよね。日テレの人にも「あれはいいよね」って言ってます。やっぱりよくできた番組だと思います。日テレが視聴率高いのが分かりますね。まあ、これもある種の編集技術の成果というか、一つの課題、イモトアヤコの旅だったら、それをどう見せるかが上手いんだと思います。あとこの前、番審で『志村どうぶつ園』を観たんですけど、面白いなあ。

『新潮』連載中の「ヒロヒト」を執筆中の高橋さん

―― どういうところに面白さを感じましたか?

ADVERTISEMENT

高橋 あれも十何年、番組が続いているでしょう。動物で十何年ってすごいでしょう。だって、普通飽きちゃうじゃない。どうして人を飽きさせないんだろうって考えたんでけど、最近のを観てるとレポーターが動物なんですよ。ひふみん(加藤一二三)とか。あの人。人間というよりある種の珍獣に近い(笑)。

―― たしかに動物的。

高橋 動物が動物をレポートしてるっていうのは、そりゃ面白いよね。それから『志村どうぶつ園』のレポーターの女の子(加藤遊海)、ミス・ユニバースの日本代表になったというのにも驚いた。

本棚には『文学王』で紹介している幸田文『台所のおと』も

―― ミス・ユニバースをレポーターにしたんじゃなくて……。

高橋 そう。番組レポーターがミス・ユニバース日本代表になっちゃった。それで、「『志村どうぶつ園』続けていいですか?」って言ったらオッケーが出たそうです。この子はマレーシア育ちで、すごく美人でスタイルもいいんだけど平気でヘビとかつかむの。だから、ひふみんと同じ動物性を感じます(笑)。

―― なるほど!

高橋 日テレの番組審議員をやってて思うけど、日テレは少し先を観て番組や編成を作ってますよね。その日テレの強みというのは、才能を見つける早さにもある気がしています。逆にフジテレビはすごく視野が狭くなってると思います。タレントもすでに売れっ子になってる人を使ってるでしょう。以前のフジテレビは企画もキャスティングも斬新なところがあったのに。

懐かしいですね、『平成教育委員会』

―― フジテレビといえば高橋さんは『平成教育委員会』にも何度か出られていましたね。

高橋 懐かしいですね。思い出すのは、亡くなられた逸見(政孝)さん。ちょうど闘病に入る前ぐらいだったので。いつも疲れてて、大丈夫かなと思ってました……。

 

――「生徒」として解答席に着席する気分って、どんなものでしたか?

高橋 番組は面白かったですけど、生徒になって問題を解くっていうのはどうも嫌でしたね、真剣になっちゃうから(笑)。成績がいいとブレザーをくれたでしょう。それは毎回楽しみでした。

―― 優等生には何度かなっていましたっけ?

高橋 ブレザー、何度かもらってます。どこか行っちゃったけど(笑)。