39度7分の熱を出しても締め切りは容赦なくやってきます。

 いい歳した中年が連日40度近い熱を出すというのは物悲しいものがあります。

思い出す、理不尽な皆勤賞のシステム

 その昔、私が子供だった昭和50年代、私の通っていた公立小学校では夏休みなのに一定の期間なぜかラジオ体操とプール授業がありまして、皆勤賞をして担任からハンコを全部もらうとご褒美のお菓子がもらえるという謎のシステムが運営されておりました。まあ、別にいいんですよ、夏にそういうアクティビティがあること自体は。

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 ところが、クラスの中で「皆勤賞した子がどれだけいたかでクラス同士の優劣が決まる」という、さらに謎の深まる競争がありました。うっかり家族旅行に行ったり夏風邪を引いたりするとその子は皆勤賞ではなくなってしまうのでクラスメートから総スカンを喰らうという理不尽なシステムです。子どものころは扁桃腺が弱かった私は、頻繁に熱を出す子でして、その夏も旺盛に39度7分ぐらいの熱を出していたのですが、家の前までクラスメートが迎えに来て、フラフラになっている私の両脇を抱えるようにしてプールに連行していったことが一度ならずあったのを思い出します。

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 いま思うと、熱を出しても学校に行くものだ、多少の理不尽も寛恕するのが重要だ、というような「昭和の精神」がこのころから刷り込まれているのでしょうか。思い出すと、特に私の両親もこれといって発熱中に夏プールに行くのに反対してなかったような気がします。その後、私は無事に慢性中耳炎になり何か月間かを入院で無駄にしたり、私立小学校への編入を余儀なくされるのですが、いま思うと「あの小学校の楽しさと息苦しさは何だったんだろう」とすら感じます。