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ロッテ・福浦和也がミーティングの席でしみじみと語ったこと

文春野球コラム ペナントレース2018

2018/05/29

 幕張のレジェンドはしみじみと語り出した。普段は決して口数が多い方ではない福浦和也内野手が熱弁をした。あれは5月17日のオリックス戦(ZOZOマリンスタジアム)での全体練習前の事。なかなか波に乗れていなかったチームは野手だけで自主的にミーティングを開いた時のことだ。それぞれが意見を出し合った中で口を開いた。

「当たり前なんだけど、今こうやってプロの世界の一軍で野球をやれていることをもう少しありがたいことだと感じながら過ごして欲しい」

プロ25年目のベテラン・福浦和也 ©文藝春秋

ベテランだからこそ言わなくてはいけなかったこと

 プロ25年目、通算2000本安打の偉業まであと一歩のところまでたどり着いている男の言葉は重い。その場は静寂に包まれ、誰もが息を吞むように聞き入った。

「もちろん毎日が当たり前のように感じてしまうけどね。それを感じるのは確かに難しい。でも、忘れないで欲しい。ユニフォームを脱ぎたくて脱いだ選手はほとんどいない。プロになりたくてもなれなかった選手はたくさんいる。一軍で試合に出たくても出れない選手もいる。だからこそ今の自分の幸せを感じてプレーをして欲しい。そういう気持ちを大事にして、日々を感謝の気持ちを持ってプレーをして欲しい」

 今、プロの一軍の舞台で大好きな野球を仕事にしてやれている幸せ。もちろん背番号「9」も最初からそのような境地にたどり着いたわけではない。年を重ね、出会いと別れを重ねるうちに今の自分の幸せをかみしめるようになった。大事なのはそれに気付き、悔いなき日々を送れるか。ベテランの自分だからこそ言わなくてはいけないことだと思った。