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ロッテ・福浦和也がミーティングの席でしみじみと語ったこと

文春野球コラム ペナントレース2018

2018/05/29
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ミーティングの言葉の真意

「先輩も後輩も辞めていった。いい形で野球を終えた人も、もちろん沢山いたけど、悔しい形の人もたくさんいた。その中でこれだけ長くやれている自分は幸せ。ありがたみを感じながらやらないとバチが当たるよ。これはそのうちみんなも分かることではあるけど、早く分かるに越したことがない。だから伝えたかった」

 後日、あの日のミーティングの言葉の真意を聞くとしみじみと話をしてくれた。その日、すでに福浦は首脳陣と話し合い、一軍登録抹消が決まっていた。それでもミーティングに参加して後輩たちに優しく語り掛けた。それは自分自身が一番大切にしていること。いろいろな事に愚痴を言ったり、不満に思う事も人生にはある。それでも、もう一度、今いる立ち位置を見つめなおして、幸せであることを感じ、感謝をして欲しいという想いを伝えた。

一軍でプレーできることに日々、ありがたみを感じていると語った福浦 ©文藝春秋

「オレも、こういう年になったから言えるんだけどね。若い時は分からなかったよ。でも、それはきっとプロ野球選手に限らず、どんな職業でもいえることだと思う。文句の一つや二つもあるし、なんか疲れたなあとか嫌になることもあるけど、いざ仕事を辞めてしまうと後で幸せを感じるんじゃないかな。若い子たちにはそんな悔いの残る形だけはとって欲しくないんだ。自分はこれからもそれを伝え続けたい」

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 2018年シーズン中の偉業達成に向けて周囲は大いに盛り上がっている。その中で背番号「9」は期待を背負い、バットを振る。チームのため、ファンのため、そして支えてくれた人のために。福浦は5月29日の東京ヤクルト戦(神宮)で一軍に戻ってきた。この年まで野球がやれる幸せを全身で感じながら感謝の気持ちを込めて打ち返す打球をぜひZOZOマリンスタジアムに見に来てほしい。悔いなき日々を送る男のメッセージを受け取って欲しい。

梶原記章(千葉ロッテマリーンズ広報)

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