悩みを抱えているアイドルの方へ
アイドルが芸能事務所との間で締結する契約書は、事務所側が用意し、アイドルは、それに署名するように求められるだけのことが多いです。おかしいと思ったところを指摘すると、「みんなその条件で契約している」「嫌なら契約はできない」などと言われ、不利な条件の契約を強いられています。その契約内容でいざ活動してみると、報酬を払ってもらえない。やめようとすると、損害賠償請求をすると脅される。そのような経験をしたアイドルは、数多くいます。
そのようなトラブルを防ぐためには、やはり、契約書を締結する段階での専門家の関与が必要だと思います。事務所との間で契約を締結する段階で、報酬の支払い方法・計算方法はきちんと記載されているか、一方的に損害賠償を請求されるような条項はないか、移籍や退職（契約解除）を制限するような条項はないか、などを専門家にチェックしてもらい、明らかにおかしい条項については、修正を依頼するようにしましょう。
また、実際に報酬や退職、損害賠償などの件でトラブルが生じてしまったとき、アイドルは、「契約で決まっているから」などと言われ、事務所との力関係からなし崩し的に事務所の言い分を飲まされる、いわゆる「泣き寝入り」を強いられることが多いです。しかし、契約で決まっていても、上記のように、法律に基づいてきちんと主張すれば、事務所の言いなりにならずにすむことが可能な案件も多いのです。事務所とトラブルになるようなことがあった場合には、とにかく、まず専門家に相談をするようにしてください。
最近では、無料相談を受け付けている法律事務所や機関も増えておりますし、法律家が運営する芸能人の地位向上を目指す団体も出来ております。「敷居が高い」と感じることもあるかと思いますが、圧力に屈せず、ぜひ専門家の力を借りていただきたいと思います。
