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“日大ブランド”司会者を直撃すると「下げてしまったら申し訳ない」

“日大ブランド”司会者を直撃すると「下げてしまったら申し訳ない」

大塚学長が歯切れが悪かった理由

 実は、共同通信もかつては日大広報部に“指定席”を有していたものの、「共同通信出身の理事が、田中理事長との折り合いが悪くなって日大を去ってから、『ポスト』がなくなった」(前出・共同通信OB)という。

 つまり、米倉氏は日大で権力者として君臨する田中理事長に連なるグループに位置づけられるというわけだ。そう考えると、大塚吉兵衛学長が、記者会見の場で米倉氏の「司会ぶり」について問われた際、「なかなか難しい問題ですね」と歯切れが悪かった理由も納得がゆく。

「難しい問題ですね」と歯切れが悪かった大塚学長 ©文藝春秋

「同じ局なのに3つ、4つの番組ごとにクルーが分かれていて、同じ質問を何度も繰り返す。(それが米倉氏にとって)ちょっとイラッとしたのかもしれない。『なんであんな声が出たの?』と後でうかがったら、そんな答えをしていた。『自分のところの記者が質問をしているという画が欲しいんだよ』というような説明をしていました」(大塚学長)

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 確かにワイドショーや情報番組のキャスターが似た質問を繰り返していたという事情があったにせよ、妙に司会者の肩を持つ回答だった。一方で、タックルをした当該選手の陳述については、「(内田前監督らの主張と)一致しない部分がある」としていた。

 ©時事通信社

学長は理事会によって選出されることに

 ある日大理事会関係者は、「大塚学長は田中理事長に引き上げてもらったんだから、あんなふうな何も言えない会見しかできませんよ」と語る。

「大塚さんは、もともと日大に14学部あるうちで一番小さい歯学部の学部長でした。課長以上の職員、約2700人による選挙で『総長』に選出されたのが7年前。総長選では、田中理事長がフル活動しました。その後、『総長』は『学長』というポジションに変わって、選出方法も理事会によって決まることになったのです。こうして、田中理事長以下の理事会に選出されて、大塚学長が現在3期目を務めています」

 ちなみに、内田前監督も理事会では常務理事の立場にある。部活動の責任者である大塚学長が内田氏に対応を指導できず、最高責任者である田中理事長による記者会見に及び腰だったのも、こうした組織の論理を知れば当然の話だ。