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50年越しについに開通! 外環道&国道298号いよいよ千葉へ

高速道路最前線

6月2日、外環道(三郷南IC~高谷JCT)と国道298号(国道6号~国道357号)がついに開通した。都心から北関東へと伸びる4つの放射道路を接続する環状道路の整備がもたらす効果は計り知れない。


 首都圏の道路交通網の基盤として、1963年に計画された「3環状9放射ネットワーク構想」。その中で、関越道や東北道など都心から放射状に伸びる道路をリング状につなぐ3つの環状道路の一つとして重要な役割を担っているのが「外環道」だ。今回、三郷南IC~高谷JCT区間が開通したことで、外環道は全体の約6割が完成。湾岸エリアと北関東方面をつなぐ東関東道、常磐道、東北道、関越道の4つの放射道路がつながったことになる。

右・NEXCO東日本 関東支社千葉工事事務所 所長 木曽伸一
北海道出身。1985年入社。これまでに道央道、上信越道、外環道の建設に携わる。16年7月から現職。

左・国土交通省 関東地方整備局 首都国道事務所 所長 甲斐一洋
宮崎県出身。2001年入省。関東地方整備局にて外環道をはじめ3環状道路の建設事業や河川事業に携わり、16年4月から現職。
右・NEXCO東日本 関東支社千葉工事事務所 所長 木曽伸一
北海道出身。1985年入社。これまでに道央道、上信越道、外環道の建設に携わる。16年7月から現職。

左・国土交通省 関東地方整備局 首都国道事務所 所長 甲斐一洋
宮崎県出身。2001年入省。関東地方整備局にて外環道をはじめ3環状道路の建設事業や河川事業に携わり、16年4月から現職。

半世紀越しの道路建設計画 高速道路と国道のW効果

 今回開通した外環道の建設事業がスタートしたのは1969年。15.5㎞の高速道路に11.4㎞の国道298号を併設する半地下2層構造の道路として、国土交通省とNEXCO東日本が共同で進めてきた。地下を走る高速道路とその上を通る国道は各4車線。南北方向に伸びる道路が少ない千葉県市川市~松戸市エリアに、計8車線の幹線道路が出現するインパクトはかなり大きい。

「今回の開通で周辺の車の流れは大きく変わると思います。事業計画が始まってから約半世紀。長期に及んだ工事中にご不便をおかけした周辺住民の方々をはじめ、この事業に関わってきた方は本当にたくさんいらっしゃいます。今はその方たちへの感謝の思いでいっぱいですね」

 と、語る国土交通省関東地方整備局首都国道事務所の甲斐一洋所長。環状道路の整備により、渋滞の著しい都心を迂回するルートが確保され、交通の円滑化や物流の生産性の向上が期待される。さらに、千葉県内の湾岸エリアから関東各地への所要時間が大幅に短縮されることから、広域的な観光交流の促進も見込まれているという。国道298号が併設されていることで期待される整備効果もあるという。

「外環道とともに国道がこの地域を通ることで、沿線地域の渋滞が緩和されれば、生活道路へ迂回してくる車が減少し、通学路などの生活道路の安全性も高まります。開通に先立ち、道の駅『いちかわ』が国道沿いにオープンしたのですが、大勢の方に集まっていただきました。周辺住民の方々の関心は高いと感じました」

外環道と東関東道・首都高湾岸線をつなぐ高谷JCTのある湾岸エリアは、成田と羽田という2つの空港の中間地点にあたる。消費地に近い上に、今回の開通でさらにアクセスが良くなったことでeコマースの普及に欠かせない大型物流拠点の立地として、企業の注目を集めているという。
外環道と東関東道・首都高湾岸線をつなぐ高谷JCTのある湾岸エリアは、成田と羽田という2つの空港の中間地点にあたる。消費地に近い上に、今回の開通でさらにアクセスが良くなったことでeコマースの普及に欠かせない大型物流拠点の立地として、企業の注目を集めているという。

最新の防災設備と安全対策で重要路線の快適走行を守る

「住宅密集地での大規模な掘削工事だったこともあり、建設工事は通常より長い歳月がかかりました。それだけに、今回の開通はたいへん感慨深いものがあります」

 と、語るのはNEXCO東日本関東支社千葉工事事務所の木曽伸一所長だ。外環道千葉県区間は、本線のほとんどが地下空間にある。京葉道路と交差する京葉JCTのランプ部はトンネル構造で、本線の多くは半地下2層構造の地下部を走るのだ。

「トンネルや地下を走る道路で一番怖いのは火災です。万一のときでも、煙に巻き込まれず安全に避難できる通路や階段を整備しています」

進行方向先で危険な状況が発生したときに、それを周知するための情報板や警告灯付き照明も完備。さらに、快適な走行を促すために開放部から入る太陽光を調整するルーバーや、速度低下による渋滞を防ぐペースメーカーライトも設けられた。

「高速道路を安心・安全に走行していただくための設備や対策を開通前に完備できたと思っています。あとはこれから、みなさんにどう利用していただけるか。道路が開通したこれからが本番だと思っています。

 道路がつながることで、車の流れは大きく変わります。今後はそれを社会資本として首都圏あるいは地域にどう生かしていくのか。それを関係者みんなで考えていかなければならない。大切なのはこれからです」


半地下2層構造の特殊な高速道路に完備された最新の防災施設と安全対策

重要路線になることが見込まれる外環道千葉県区間。安全・安心な走行のための各種防災施設と安全対策が施されている。

 
 
左:避難階段 右:避難通路
万一火災に遭っても煙を避け安全に屋外へ出られる避難階段・避難通路が完備されている。しかも非常口は半地下部で800m程度、京葉JCTランプ部で60m程度おきに配置されているため安心だ。
左:避難階段 右:避難通路
万一火災に遭っても煙を避け安全に屋外へ出られる避難階段・避難通路が完備されている。しかも非常口は半地下部で800m程度、京葉JCTランプ部で60m程度おきに配置されているため安心だ。
警告灯付き照明
トンネル内で火災などが発生している場合、真っ赤な照明が点滅し警告。非常事態であることをドライバーに知らせるための対策の一つだ。
警告灯付き照明
トンネル内で火災などが発生している場合、真っ赤な照明が点滅し警告。非常事態であることをドライバーに知らせるための対策の一つだ。
ペースメーカーライト
勾配が急な場所では、急激な速度変化によって追突事故が発生しやすい。そこで設置されたのが、東京湾アクアラインでも使用されているペースメーカーライト。青いライトが一定の速度で流れて点滅、車の速度低下を防ぐ。緊急時には赤く点滅。
ペースメーカーライト
勾配が急な場所では、急激な速度変化によって追突事故が発生しやすい。そこで設置されたのが、東京湾アクアラインでも使用されているペースメーカーライト。青いライトが一定の速度で流れて点滅、車の速度低下を防ぐ。緊急時には赤く点滅。
2.5m間隔で開放部が設けられた半地下区間には太陽光によるチラつきを防ぐ遮光ルーバーを設置。
2.5m間隔で開放部が設けられた半地下区間には太陽光によるチラつきを防ぐ遮光ルーバーを設置。

提供/NEXCO東日本 http://www.e-nexco.co.jp/