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オリックスのマスコット ブルとベルの生みの親が語った“誕生秘話”

文春野球コラム ペナントレース2018

2018/06/19
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ブルとベルの誕生秘話

 そんなふたりのフォルムを生み出したのは「大阪八カセ」ではなく、京都在住のイラストレーター・幸池重季さん。1年がかりで完成したというバファローズのキャラクター制作について「先代のネッピー、リプシーのように、みんなに愛されるベーシックなもの。マスコットらしい、正統派のマスコットを作りたかったんです」と振り返りました。そして、誕生した彼らが見せた、何より嬉しかったシーンを語ります。

幸池重季さん(左)とのツーショット ©Dreamin'

「Bs STAGE(=試合の前後に球場前で行われるイベント)を観ていたご高齢の女性にブル君が気づいてスッと近づき、寄り添ったんですよ。その姿を見て、うわぁー嬉しいなぁと。球団の皆さん、ファンの皆さんに見守られて、育てられたなぁと思いました」

 人の気持ちを察してコミュニケーションを図る、AIの技術が搭載されたロボットが世界の潮流になっていますが、オリックス・バファローズは7年も前から、そうした完成度の高いロボットをグラウンドやスタンドに送り込んでいることになりますね。一歩先を行く感じ。イチロー選手が登場するCMではありませんが、まさに「オリックスって何の会社?」です。

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“かわいらしさ”のインパクトをもってファンに浸透した妹。“健気さ、やさしさ”がじわじわ浸透する兄。この交流戦でも、ナゴヤドームを皮切りに各球場を訪れて、ファンとのふれあいを広げていたふたり。

 ある調査によると、ふたりが登場して以降、NPB各球団のマスコットにおけるバファローズのステイタス(満足度など)は上がっているようです。

 みんなに愛される、正統派のマスコット。生みの親が思い描いた理想の形になっている今のブル君・ベルちゃんの姿を見て、幸池さんは「満足です!」と言い切ります。

 バク転や、派手なアクションや、笑いの要素がなくても、周りの人をあたたかい気持ちにさせてくれるホスピタリティがある。じんわり沁み入る幸福感が周りをやさしく包んでいくブル君とベルちゃん。

 ふたりもまた、オリックス・バファローズの大切な宝物です。

(注)ブル君・ベルちゃんがロボットというのは、あくまで「設定」です。

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