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イーグルスの“カー君”田中和基、プロ2年目のひとり立ち

文春野球コラム ペナントレース2018

2018/06/20

「カー君」と聞いて、ローラースケートで颯爽と駆け抜ける光GENJIの諸星和己さんを連想するあなたは確実に昭和世代。自分もその一人であるが、楽天イーグルスファンにとっての「カー君」とは入団2年目の田中和基選手のことである。

(6月19日現在)打率.319、4本塁打、10盗塁。盗塁数はチームトップの数である。

 躍進する2年目の田中選手は2016年ドラフト3位で立教大学から入団した走攻守三拍子そろったスイッチヒッター。

 昨年5月20日、「9番・右翼手」として一軍公式戦初のスタメン起用されたその日の延長10回表に千葉ロッテの有吉投手から一軍公式戦初安打となる二塁打を放つ! さらに延長12回表に迎えた打席では、サウスポーの土肥投手に対し右打席に切り替え、決勝点となるプロ初本塁打を放った。華々しいスタメンデビューである。

全力疾走する福岡出身・2年目の田中和基選手 ©RakutenEagles

ルーキーイヤーは「島内さんのマネージャー」

 昨シーズンの夏に、田中選手と自身が師と仰ぐ島内宏明選手に話を聞いた。

田中選手「島内さんには沢山の事を教えて貰えるので付いて行っています。野球の技術面もそうなんですけど、試合への準備であったり、野球に対する姿勢を学んでいます」

 とその瞬間、島内選手が「もうええから、そういうの」とすかさずツッコミが入った。

河内「少し前に田中選手は島内選手の専属マネージャーと言っていましたが?」

田中選手「(冗談で)もちろん楽天イーグルスの一員ではありますが、その前に島内さんのマネージャーとして、どうチームに貢献できるかが大切だと思うので、その辺りの自覚をもって、今日もマッサージをやらせて頂きます」

島内選手「田中はふざけすぎてます(笑)」

 ルーキーイヤーにも関わらず先輩である島内選手と臆することなく冗談を言い合える距離感。ファンからすると羨ましいくらいの仲の良さである。

田中和基選手×かみじょうたけしさん×島内宏明選手 ©河内一朗

 そんな田中選手のお茶目な一面が垣間見える、28歳の島内選手へ贈ったバースデー動画をご覧いただこう。

「(島内選手に)まず追いついて、追い越せるように」とあるように、レギュラーを虎視眈々と狙いに行くぞ! というような2年目にかける意識の高さが感じられる。と、同時にラストは「僕の誕生日は8月8日なので期待していまーす」と普通では終わらないコメントで締めるところが、田中選手らしい。

 そして今シーズン、田中選手は開幕一軍の座を掴み取ったが、4、5月はファームも経験。しかし、再び一軍昇格を果たした5月24日に東京ドームでタイムリーを放つ。それ以降、スタメンの座を勝ち取り、現在チームを確実に牽引していると言って良い大活躍である。

1番好きな焼き鳥は「皮」の田中選手にインタビュー ©河内一朗