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「2段モーション解禁」で広島・大瀬良大地はなぜ勝てるようになったのか

文春野球コラム ペナントレース2018

2018/06/24

「2段モーション」。

 去年8月西武ー楽天戦で再びこの言葉がクローズアップされた。ターゲットとなったのは西武の菊池雄星投手。それまで150㌔後半のストレートを武器に快刀乱麻の活躍を見せていた彼に突然「反則投球」が宣告された。「一連の動作ではなかった」と。その2日後日本ハムの井口投手にも同様に2段モーションとみなされる違反投球が宣告された。

「そりゃないよ!」「基準が曖昧すぎる!」「今さら2段モーションって??」とツッコミを入れたプロ野球ファンも多かったのではなかろうか。

解禁された「2段モーション」

「2段モーション」。

 言葉のとおり投手が足を上げ、その足をプランとさせたのちもう一度足を上げて投げる投法。2005年ごろ野球の国際化を目指すという名目で「2段モーション」の取り締まりが強化され2006年からルールブックに「2段モーションは反則投球」と記載されたあれである。

 当時、各チームのエース級の投手がこの「2段モーション」とみなされる投球動作で活躍していた。代表的な投手がハマの番長・三浦大輔投手。そして近鉄・楽天の岩隈久志投手。その他にも、阪神・藤川球児投手やソフトバンク・斉藤和巳投手など。カープでは高橋健さんも2段モーションぽい投げ方だったか。「この人は良くてこの人はダメなのか?」「今のは2段ではなかったか?」野球本来の「投げた」「打った」「捕った」以外のところで議論になる、基準が曖昧で違和感のあるルールだった。

 そんな「2段モーション」が今年「解禁」となった。

 そもそも国際ルールに近づけるために「2段モーションは反則」という項目を設けたというが、国際大会で2段モーションを反則と取られた事例がなく、日本独自のルールになってしまっていたということで、今年ルールブックから「2段モーションは反則」という項目が削除されたのだ。

 2段モーションは本来、軸足に体重を乗せ、バランス良く投げたいという思いからそのような動作になっているだけで、故意に打者のタイミングを外すための投法だとは思えなかったのでルール改正を受け、はっきり言ってスッキリした。

 ちなみに、プロ・社会人・大学までは「2段モーション解禁」となったが、高校野球はまだ「2段モーションは反則」ルールを残すようだ。