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昨年引退した狩野恵輔さんの新しいお仕事“FC”ってなに?

文春野球コラム ペナントレース2018

2018/06/27
note

理想は「選手ファースト」のリポート

 狩野氏の伝える情報は私たちアナウンサーがいくら頑張っても取材できないような濃いものばかり。選手の意外な一面を知ることもできます。ただ、伝え手としてはルーキーイヤー。実況アナウンサーと解説者の会話の中に情報を入れるタイミングにはまだまだ苦労しているようです。「あと、読むのはほんまに難しい!」取材した情報を自分の言葉で伝えることはできるけれど、紙に書かれた文章を読むと少しロボット気味な狩野氏(笑)。「喋りはまだまだやな(笑)」。狩野氏の“読み”にも耳を澄ませてみてください(笑)。

取材情報を整理する狩野氏 ©市川いずみ

 すでに狩野氏のリポートを聴いているファンの方は「去年まで現役の選手だったんだから、選手の本音をもっとリポートしてくれ!!」、そう思っている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、選手を卒業したてだからこその難しさもあります。「本音を聞けても、それをどこまで放送に“情報”として入れるか。それを入れることで選手に与える影響もあるから……選手の気持ちがわかる分悩むこともあるよ」。狩野氏が目指しているのは“選手に優しいリポート”。それは他球団の選手に対しても同じだと言います。「なんといっても現役選手が一番なんだから! プロ野球選手に対するリスペクトは大事だよね!」。自分はあくまでOBでありFC。リスナーはもちろん、選手にとっていい放送になるリポートを心がけています。「去年まではチームメイトであると同時にライバルでもあったんだよね。今はライバルでもないから今の方が腹を割って話せるかも。何より、球団外の人間になったのに選手の近くにいて話を聞けるのは勉強になるし、楽しい!!」。浅野忠信似の顔をクシャッと崩しながらそう話します。

甲子園球場のリポーター室で浅野忠信似の狩野氏とのツーショット ©市川いずみ

「初めての試みだし不安なこともあるけどやるしかないしね!」

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“FC”という今までになかったポジションに挑戦している狩野氏も奮闘中です!! タイガースがなかなか勝てない! 気分が乗らない! そんなタイガースファンの皆さま。狩野FCの低音ボイスで濃~い情報を聴いて癒されてみては?

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