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「お金がなくても追い込まれても2人でやっていける理由」園子温✕神楽坂恵

 園子温監督の最新作、ニコラス・ケイジ主演『Prisoners of the Ghostland(原題)』の製作が発表され、映画ファンを大興奮させている。「ハリウッド進出を決められたのは妻の神楽坂恵さんのおかげ」と語る園監督の、ちょっと意外な夫婦の関係とは!? 監督初の女性論にして自由論『獣でなぜ悪い』(文藝春秋刊)の刊行を記念した特別対談。

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電気が止まる生活から「成り上がり」

――お2人がお付き合いを始めたのは、園監督の最新刊『獣でなぜ悪い』にも書かれていますが、映画『冷たい熱帯魚』(2010)の撮影中でしたね。

園子温 同棲していたけど、お金がなくて電気も止まっているくらいだった。

神楽坂恵 そう! 

 ガスは止まってなかったと思うけど、とにかく貧乏だった。そこからある意味、夫婦で成り上がってきたね。

神楽坂 たしかに、「成り上がり」(笑)。

神楽坂恵さん ©佐貫直哉/文藝春秋

 そんなにお金がないのにその頃、2人で毎年2回くらい温泉に行ってた。

神楽坂 付き合い始めのころは、いちばん安い温泉宿に泊まって。

 「あ、ちょっと豊かになったかな」って、宿のレベルが上がってわかる(笑)。『冷たい熱帯魚』の頃でも学生しかいないような安い温泉宿だったからね。まあ日本の映画界はそんなもんです。あんまりお金にならない。