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メルカリの成長は今が頂点? “資産1000億円超”山田会長の2つの課題

2018/06/16
日本ベンチャー大賞で総理大臣賞を受けるメルカリの山田進太郎会長 ©共同通信社

 メルカリが6月19日、東証マザーズ市場に上場する。

 上場時の時価総額は4000億円を超えると予想され、いきなりミクシィを抜いて、マザーズのトップ銘柄に躍り出そうだ。筆頭株主は、創業者の山田進太郎会長(40)。

「約3800万株を保有し、株だけで資産は1000億円超となります」(経済部記者)

 だが、株式市場の熱狂とは裏腹に「メルカリは今が頂点」(金融関係者)との冷めた見方も少なくない。この金融関係者が言うには、メルカリには2つの大きな課題がある。

 1つは、上場の目的でもあるアメリカ市場挑戦だ。

 メルカリは、上場で最大600億円の資金を調達するが、山田会長は「まず海外事業への投資に振り向ける」と公言する。日本の10倍以上と言われる米国のフリマ市場で、巨人イーベイに挑むのだ。

 しかし、存在感を高めるのは簡単ではない。

 既に、メルカリは2016年に米国市場に本格進出したが赤字で、収益の足を引っ張っている。直近の2017年6月期決算でみても、

「国内では44億円の経常利益を上げながら、海外で72億円の赤字を計上している。主因は海外での広告宣伝費の高止まりです」(ITアナリスト)

 1年前にはフェイスブック元副社長を招いたが、黒字化のメドは立っていない。

 もう1つの課題はさらに悩ましい。メルカリのビジネスモデルは消費者と消費者をダイレクトに結ぶ「C2C」。出品者の売上高の1割を販売手数料として徴収するプラットフォーマーだ。

「当初は、出品者の身分証明が不要で盗品の出品も少なくなく、逮捕者も出ました。批判や警察からの要望を受けて、昨年12月から、ようやく本人確認を強化しました。ですが、運転免許証など顔写真と住所が記載された本人確認書類はいまだに不要で、盗品を売りさばく闇社会の集団にとっては使い勝手がいいようです」(前出・経済部記者)

 フェイスブックが、個人情報の不正流出で糾弾されたのを始め、世界的にプラットフォーマーの責任を問う声は大きくなっている。上場するということは、社会の公器になるということ。メルカリには、金儲けにとどまらない社会的責任が伴うことになる。