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“仕事も私生活も理想的” ケイト・スペードはなぜ自殺したのか

2018/06/18
ケイト・スペード ©共同通信社

 世界的ファッション・ブランド「ケイト・スペード ニューヨーク」の創始者、ケイト・スペード(55)の自殺が世界に衝撃を与えている。彼女は6月5日、ニューヨークの自宅でドアノブにスカーフをかけて首を吊っているのを家政婦に発見された。

 中西部カンザス・シティで8人家族で育ったケイトは、アリゾナ州立大学で後に夫となるデザイナーのアンディ・スペードと出会い、卒業後、ニューヨークへ移住。ファッション誌編集者を経て、「完璧なバッグ」を作ろうと、4万ドルを元手に夫婦で立ち上げたブランドが「ケイト・スペード ニューヨーク」だった。

 欧州のブランド・バッグとは一線を画すケイトのバッグは、機能性と気取らないスタイリッシュさを兼ね備え、「ヴォーグ」誌に掲載されるや、人気に火が付く。年間売上は当初の10万ドル未満から2年で150万、5年で2700万ドルへと急成長。今や米国に約140店舗、海外に175店舗以上を構える世界的ブランドとなっていた。

「初めての通勤バッグ」として手にした女性も多く、ケイトの死が伝えられると、SNS上では、ブランドと歩んだ自身の思い出を懐かしむ彼女たちの投稿が相次いだ。

 ケイト自身は、05年に長女を出産すると翌年にブランドを売却し、後に娘の名前を冠したブランドを立ち上げる。デザイナー兼実業家として、私生活においても、最も成功した女性の1人として理想的な人生を送っているように見えていたのだが——。