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連載THIS WEEK

共産党批判がヒートアップ
公明党に残る98年の衝撃

source : 週刊文春 2016年7月7日号

genre : ニュース, 政治

全勝が至上命題の山口代表
Photo:Kyodo

「日本共産党は無責任」

 参院選で、公明党の共産党批判がヒートアップしている。公明党は今回、増員区となった選挙区のうち愛知で9年ぶり、兵庫と福岡で24年ぶりに候補を立てた。

「公明党では全勝が当たり前。そもそも勝てそうにないところには立てない。地方選挙ですら、全勝できないと責任問題になる」(創価学会関係者)

 6月24日、マスコミ各社の参院選序盤調査の結果で、公明党に緊張が走った。

「やはり埼玉は接戦」(同前)

 定数3の埼玉は自民、民進1人ずつが当選圏内で、公明は共産と激しい3位争いを繰り広げている調査もあったからだ。山口那津男代表の第一声の場所だったことからも分かるように、公示前から埼玉は激戦が予想されていた。埼玉は1995年、新進党として旧公明候補が初めて議席をとり、2001年には公明党としても議席を確保した。

「事前の調査で、共産党にリードを許し、山口代表が官邸に駆け込んで安倍晋三首相にテコ入れを直接要請したほどでした。その効果が出ているはずなのですが……」(同前)

 公示後、初の週末となった6月25日土曜日は太田昭宏前代表が、翌日の日曜日は再び山口代表が入るなど、埼玉では背水の陣を敷いている。

 共産憎しの余り、敵方の善戦を期待する選挙区もある。4人区となった愛知は労組の力が強く、民進が2人の候補を擁立した。自民、民進、公明まで3枠は順当だが、問題は4枠目。ここを民進と共産が激しく争う展開となっている。公明幹部は「なんとか民進の2人目が共産を蹴落としてほしい」と、全国レベルでは対立している民進に心情的にエールを送るほどなのだ。

 公明党と共産党は長年にわたる仇敵である。1974年には、一時的に党の支持母体である創価学会と共産党の「創共協定」が存在したことはあったが、すぐ反故になった。

 公明幹部が「あの衝撃は忘れられない」と振り返るのが、98年の参院選だ。新進党が解党し、再び完全な公明単体(当時、衆院は新党平和)で臨んだ選挙で、公明は共産の後塵を拝した。比例代表で公明の700万票台に対し共産は800万票を超え、議席も共産15に対し、公明9にとどまったのだ。その後、公明党が自民党との連立に突き進んだのも、この時の衝撃が大きかったからにほかならない。

 自民・民進対決より熱いのが、公共対決なのである。

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