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小4の夏休み、自由研究は「大洋ホエールズ古本探しの旅」だった

文春野球コラム ペナントレース2018

2018/07/29
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今も続くホエールズの本を探す旅

 自由研究をきっかけに僕はホエールズに関する資料を探すようになった。しかし球団発行のイヤーブックや『ファンマガジン横浜大洋』『月刊ホエールズ』以外で、当時この球団を詳しく扱った本や雑誌はきわめて少ないのが実情である。

 15年前、ある仕事でベースボールマガジン社の資料室に日参する機会があり調べてみたところ、週刊ベースボールですら表紙に大洋の選手が単独起用された号を探すと昭和30~40年代は三原脩や桑田武、秋山登、平松政次らがいくつか見つかるものの、昭和50年代に入ると昭和52年2/13号の田代富雄、昭和55年6/23号の基満男のみ。遠藤一彦も齊藤明雄も、あの松原誠でさえも『週べ』の単独表紙を飾っていないのだ。ちなみに齊藤明雄に関しては昭和57年の『Number』で江夏豊と並んで表紙を飾った号があり、なかなかの威圧感を醸し出している。

 そんな中、先日ある古本屋を何の気なしに覗いたところうっかり見つけてしまったのが昭和53年8/20アサヒ芸能臨時増刊『巨人かヤクルトか大洋か 乱セ3強夏の陣』。横浜に移った40年前、三つ巴でし烈な首位争いを演じていた頃の熱狂が誌面からビンビンに感じられる一冊で、こういうネット上に一切情報のない本が見つかるのは本当におもしろい。ホエールズの本を探す旅は、これからもずっと続く。

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齊藤明雄が表紙を飾った『Number』や、古本屋で見つけた『巨人かヤクルトか大洋か 乱セ3強夏の陣』など ©黒田創

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