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オリックスの非公認マスコット「ゴーヤ」さんがいた、あの夏の記憶

文春野球コラム ペナントレース2018

2018/08/02
note

そして、いきなり姿を消した

 しかし、数々の武勇伝を残しながら、気がつけば、いつの間にか私たちの前から姿を消したゴーヤさん。
知らないうち、何事もなかったかのようにいなくなったのです。
当時はいっぱい「どうなってんのー?」と問い合わせをいただきました。
姿、形や喋り方までそっくりの「大阪八カセ」に変身したのではないのか……という向きもありましたが、私にもそれはわかりません。

 ゴーヤは苦味がどうも……という人も食べれば慣れて、そのうち、その苦さが病みつきになるということでしょうか。
今でも「ゴーヤさんは?」と尋ねてこられる方がいらっしゃいます。

 球場で顔を見かける、NPBの公式記録員さんからも「あの試合前の掛け合い、和んでいたんですよねー」と声を掛けられ、こんなところにもファンがいたのか! と驚く日々です。

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 彼のようなギリギリ感たっぷりのキャラクターは、コンプライアンスに武装された今のご時世を生きるには少々息苦しいのかもしれませんが、緊張と緩和の“緩和”の部分を担える貴重な存在。残って欲しかったなぁと思うのは、私だけでしょうか?

 季節はまさに盛夏。暑さで疲れが蓄積し、夏バテ、という方も多いでしょう。野球選手とて同じです。よほど夏が好きな選手、並外れたタフさを持っていない限り、バットのスイングは鈍くなるわ、投げるボールにキレはなくなってくるわ……で、思い描いていた活躍のイメージからズレが生じるのもこの時期ならでは。でも、ゴーヤさんはエネルギーの塊のように年中パワフルだったなぁ。そんな〝元気の素〟を今のバファローズにプラスワンできれば、ペナントレース後半の追い込みは可能でしょう。「夏バテした牛には塩を舐めさせろ」とも言いますよね。

 そういう視点で見ると、ベンチの中では、7月に3割7分の打率で元気だった伏見選手に注目です。これまでなかなか活躍の場がなかった6年目。本人にも期するところはあったでしょう。シーズン序盤は代打での起用が多かったのですが、戦力事情もあって7月11日のイーグルス戦にファーストでスタメン起用されてから15試合、ノーヒットは2試合のみ(8月1日現在)。捕手へのこだわりはあるでしょうが、置かれたところで咲いているその姿に「頑張れー!!」と思わずにはいられません。バファローズはこれまでピッチャーが頑張りました。今、このしんどい時には元気のある野手が周りを巻き込んで引っ張っていきたいところです。

 ところで、ゴーヤさんはその後、サッカー・JFLのFC大阪のホームゲームで喋っているのを見た! という目撃情報もあったりしたのですが。

 今は何と! プロレスのメンバーなんですって。
その名も「海鮮プロレス」
リングネームは、“1234海ゴーヤ”て!!
アンタ、そのまんまやんかー!!

 そういえば、夏の京セラドームで、試合のあと、グラウンド上にリングを組み、レスリングの試合、やりましたよねー。
私、知らん間にリングアナに仕立て上げられましたし。
巻き込み力、バツグン(笑)。

ゴーヤさんのイラスト ©杏. 2011

 きっと、今でも体力を持て余してエネルギーいっぱいに発散していることでしょう。
何せ、栄養満点の“夏野菜”ですから。
カラダに気をつけてー☆

※「海鮮プロレス」は、来月2日・日曜日に大阪府のせんなん里海公園で行われるようです。ゴーヤさんの雄姿が見たい! という方は、お越しになってみて下さい。

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