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夏の甲子園開幕直前 山下斐紹、古川侑利、久保裕也に聞いた、あの夏の記憶

文春野球コラム ペナントレース2018

2018/08/02

「ああ~栄冠は君に輝く♪」

 夏の代表曲の1つとも言えるこの曲、「栄冠は君に輝く」を聞くと、甲子園でプレーする高校球児達が目に浮かんでくる。いよいよ明々後日に迫った、第100回全国高等学校野球選手権記念大会。

 キャッチフレーズは「本気の夏、100回目。」である。

 プロ野球はペナントレース後半戦。着実に追い上げをみせる楽天イーグルスも「本気」の戦いが続いている。先週の投打のヒーローも、元高校球児。選手に高校時代の話を聞かせてもらった。

『レッツゴー習志野』でイケイケに

好きなアイスは「ICE BOX」の山下斐紹選手 ©河内一朗

 7月24日、北海道日本ハム戦でプロ初アーチとなるサヨナラホームランで試合を決めた山下斐紹選手。翌日に感想を聞くと「今、どうだった? と聞かれても、(ベースを)1周走ってる時の感覚が思い出せないくらい、自分でもビックリしています」と興奮した様子で話してくれた。

 高校時代(千葉・習志野高)の思い出について聞くと 「もちろん野球の記憶も沢山ありますが、習志野は何と言ってもブラスバンドが凄いので、あの全国トップクラスのブラスバンドの応援に後押しされて野球を頑張れたというのはあります。その中でも『レッツゴー習志野』が流れたらこっちはイケイケになりますし、相手はガタッとくると思います」

「彩響」といわれる美爆音での応援の力は、選手にとっても絶大だったようだ。

 今夏の習志野高校は、西千葉大会・準決勝、のちに甲子園出場を決める中央学院高校と戦い、サヨナラHRを浴びて涙をのんだ。奇しくも試合が行われたのは、山下選手がサヨナラHRを放った日であった。

 「母校がサヨナラHRで負けたのは知っていたので、舞台は違えど自分がサヨナラHRを打てたのは運命を感じますね。後輩たちには、また甲子園を目指して頑張って欲しいですし、僕も悔しい思いをした後輩の分まで楽天イーグルスで頑張ります」と山下選手。

 ドラマティックに試合を決めてくれた男気溢れる山下選手。楽天イーグルスの山下として、これからも活躍が期待される。

ご飯は毎食2合、間食におにぎりも

好きなアイスの「あいすまんじゅう」を食べる古川侑利選手 ©河内一朗

 次は7月25日の北海道日本ハム戦で先発し、6回5安打無失点で今季4勝目を挙げヒーローとなった古川侑利選手。強打者相手に4者連続三振は痺れるものがあった。

 古川選手に高校時代(佐賀・有田工高)の思い出について聞かせてもらうと「トレーニングとして山道を走る山登りをやっていましたね。かなり荒れている凸凹の道を走っていました。それから、ご飯は毎食2合食べ、間食におにぎりも食べていました」と、豪快なエピソードを笑いながら話してくれた。

 古川選手はエースで4番として甲子園出場。高校としても創立114年目にして初めての快挙であった。この夏、古川選手の母校は、準決勝で佐賀商業高校に破れ、残念ながら古川選手が出場した第95回大会以来5年ぶりとなる2度目の出場を果たす事は出来なかった。

 古川選手は「(母校が)甲子園に行ってくれるんじゃないかと思ってソワソワしていましたが、残念です。でも今日は後輩に刺激を受けて良いピッチングが出来たので良かったです」と話してくれた。母校への愛と、後輩の頑張りが古川選手の4勝目を後押ししてくれたようだ。気持ちが良いくらいの強気なピッチングをする5年目の右腕から、ますます目が離せない。