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W杯出場0分のリオ五輪世代「僕らは誰ひとり、満足はしていない」

W杯出場0分のリオ五輪世代「僕らは誰ひとり、満足はしていない」

2018/07/02
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むしろ若手を積極的に起用するタイプの西野監督

 ドン底から這い上がってきたロンドン五輪世代や、本田、長友ら経験のある北京五輪世代の迫力に押されるように、リオ五輪世代の選手たちの存在感は薄い。

 試合に出ておらず、置かれている状況の厳しさもあるのか、練習後の取材対応ではもう一つ会話が進まない。クラブでは主力として大勢のメディアに囲まれるが、代表では試合に出ていないので、ミックスゾーンで記者から止められることもほとんどない。

 西野監督は年齢に関係なく、むしろ若手を積極的に起用するタイプだ。

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 だが、そこに至らないのは彼らとレギュラー陣とを比較して、力不足と経験不足をいくらか感じているからだろう。彼らに序列を覆すだけの力がまだなく、監督の信頼が十分に足りていないということだ。

©JMPA

「僕らの世代は誰ひとり、満足はしていない」

 遠藤も自分たち世代を取り巻く空気が厳しいことを十分に理解している。

「テグ(手倉森誠・現日本代表コーチ)さんは“リオ経由ロシア行き”っていうことをずっと言っていた。その時は2018年はけっこう遠くに感じていましたけど、実際にここにいると、『めちゃ早い』って言う話をしました。でも、僕らの世代は誰ひとり、ここにいることだけで満足はしていないです。もっと試合に出て、活躍するというイメージを抱いていました。なかなか出番がないですが、とにかくリオ組がひとりでも多く試合に出て、試合に絡んで何か爪痕を残す。それにプラスして4年後に向けてどう成長していくのかというのが、大事だと思います」

 悔しさを抱え、どう次につなげていくかは、選手として成長するためには必要なことだ。ただ、試合に出たいということだけではなく、試合に出て活躍するためにはどうすべきか。今回、出色の活躍をしている酒井宏、大迫、原口ら這い上がってきたロンドン五輪世代は、リオ五輪世代にとって身近な、生きた教材になるだろうし、勝ち上がっていく流れを経験できたのは大きい。

 リオ五輪世代に投じられた課題をどう成長に繋げていくのか。2022年、彼らは同じW杯の舞台でその答えを示すことになる。

W杯出場0分のリオ五輪世代「僕らは誰ひとり、満足はしていない」

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