文春オンライン
ダンディー西野監督の素顔「選手たちとのきめ細かすぎるつきあい方」

ダンディー西野監督の素顔「選手たちとのきめ細かすぎるつきあい方」

2018/07/02
note

西野流・選手との距離の保ち方

 食事の際は、全体が見えるテーブルにつき、選手の流れやテーブルに集まるグループなどを観察している。選手は、どんな選手と交流し、どんなグループを作って、どんなことを話しているのか。時には選手が聞いているヘッドホンを貸してもらい、何を聞いているのか聞くこともあった。国際大会は総力戦という観点から、23名の選手の情報は常に把握し、管理しておきたいのだ。

 その一方でピッチ外になると選手との距離は保つタイプだ。

 西野監督がガンバの監督に就任する際、スタッフに地図に選手の自宅をピンで示してもらい、そこから離れたところに自宅を決めたのは有名な話だ。選手が普段いく定食屋やレストランに監督がいると選手が落ち着いてごはんを食べられないし、逆に気を使われるのが嫌だからだ。

ADVERTISEMENT

選手との距離の保ち方にもポリシーが ©JMPA

 また、10年間、ガンバに在籍中、一度も選手と食事には行かなかった。特定の選手と食事にいくと、「あの選手は監督と」という話が大きくなってクラブ内に流れ、チームワークに少なからぬ影響を与えてしまうこともある。それゆえに余計なことでチームや選手を煩わせるなら何もしない方がいいと、選手とはプライベートで食事は一切しない主義だ。ピッチで戦う時は相手と向き合い、100%で勝負しなければならないので、そこに私情を挟む余地をなくしている。そうしないと試合で研ぎ澄まされた判断ができなくなると考えているからだ。

批判はあっても迷いがない西野監督の判断

 だから、西野監督の判断には迷いがない。

 コロンビア戦のハーフタイム、ドローでもOKと考えた選手たちに「勝ちに行くぞ」と攻撃的にいくことを指示した。ポーランド戦では後半終了間際に長谷部誠を入れ、ボール回しをして負けて勝つことを選択し、徹底した。批判はいろいろあるが、判断に迷いがないからW杯で8年ぶりの決勝トーナメント進出が実現できたとも言える。

ベルギー戦は7月3日AM3:00~ ©JMPA

 ベルギー戦、西野監督は勝負服の白いシャツを着て指揮を執るだろう。

 選手のすべて、相手のチームのすべてを頭の中に叩き込み、90分間、相手とファイトするのを楽しむはずだ。ピッチ上の選手が全力を出し切るのはもちろん、西野監督の迷いのない判断、采配がベルギー戦勝利の最大のポイントになる。

 勝てば男前っぷりはさらに上がる。自信を蓄えた男の表情は一段と逞しくなり、アキラファンの心を熱く焦がすだろう。

ダンディー西野監督の素顔「選手たちとのきめ細かすぎるつきあい方」

X(旧Twitter)をフォローして最新記事をいち早く読もう

文春オンラインをフォロー