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連載近田春夫の考えるヒット

「GOT7」は日本でも韓国語で勝負してほしい――近田春夫の考えるヒット

2018/07/11

THE New Era(GOT7)/F.L.Y. BOYS F.L.Y. GIRLS(GENERATIONS from EXILE TRIBE)

絵=安斎肇

 ある意味すごく興味深いのが、すこし前の、BTS(防弾少年団)のアメリカヒットチャート上の快挙について、たとえば我が国シーンからの反応なり感想に、殆ど目立ったものの見られなかったことである。韓国国内ではどんな風な扱いだったんだろうか? そのあたりのことも、いま日本では結構よくわからなかったりもするのであるが『上を向いて歩こう』が世界を席捲した時の大騒ぎを思うと隔世の感……というのもなんか違うか(笑)……ま、アレはね、英語以外の言語で歌われた曲のくせに全米1位になった! そのことも話題的要素としては大きかったんだよね。

 おっといけね、こんなことを書いておきながら、肝心なBTSの件、歌が英語だったのか、韓国語だったのか、俺それ知らなかったんだわ! 失礼いたしやした。で、遅まきながらネットで調べてみますと、ササッと検索する程度では、よくわからない。そのかわりにといっちゃあナンですが、入手いたしました情報が、てっきりシングルかと思っていた『LOVE YOURSELF 轉 'Tear'』。なんとアルバムタイトルだったんだぁ! という事実。いやいや、アジア圏産の音でのビルボード初! アルバム1位獲得は、まさに米国文化の――間違いなく――栄華の記録ともいっていいだろう「ポップミュージックの歴史」という視点からみるならば、決して小さい話題ではあるまい。

THE New Era/GOT7(ガットセブン・SONY)BTSとほぼ同時期にデビューしたkpopグループ。2018年初シングル。

 にしてはだ。先程もチラリと触れた、かの『スキヤキソング』案件に比べ、世界の反応とかどうよ? イマイチじゃね? ってのはあるよ。冒頭の“興味深い”の発言に繋がるのは、実はここの部分なのである。

 すなわち、かつてアメリカの1位は世界の1位だった。ビートルズが世界中から高評価を受けたのも、結局そのお墨付きがものをいったと書いて問題もあるまい。そうしたご威光の効き目が、気がつけばいつかしらホントに薄らいじゃってきてるんだなぁ、と。話題の温度の低さにそう思ってしまったのである。ためしにまわりの関係者に、今アメリカで1位ってだーれ? なんて曲? とか聞いてみたんだけど、全員が、「……」だった。いやマジな話よコレ。

 マクラが長くなりすぎた。僕が今週書きたかったのは、kpopにおける“コトバ”のことだった。

 最近、たまたま日本に入ってきていない韓国の市場向けkpopの新譜をいくつか聴く機会があって、どれもヒップホップ調の作りだったのだが、そうしたサウンド傾向と、濁音、半濁音、破裂音をふんだんに含む口語韓国語の響きとの関係がやたらと刺激的で、いってみればとても近未来的景色を誘発してくれる。それを聴いてしまうと、GOT7の日本語歌唱が、やたら緩いものに思えてしまったのである。ここは、堂々母国語で勝負って思ったんですけど、どぉ?

F.L.Y. BOYS F.L.Y. GIRLS/GENERATIONS from EXILE TRIBE(AVEX)世界的流行のシュートダンスを取り入れたMVが見ものとか。

 GENERATIONS。

 全米1位になるまで帰郷せず米国で戦い抜く! みたいな売りが似合いそうよね。

今週のプロレスファン「週刊新潮の“危ない国産食品”特集が、文春の“危ない中国食品”のパクリではないかと先日指摘したけどさ。ついに文春やってくれたね!“新潮の特集は本当か”って、オレもうハラハラしちゃって両誌から目が離せないよ! もっとやって(笑)」と近田春夫氏。「でも新潮の仕事もしたいんで。“考える世界ヒット”とかどう?」