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ワイロを受け取る瞬間の衝撃写真 裏千家の“大番頭”のその後

“ワイロ”を前に薄笑いを浮かべるA氏の衝撃写真

 茶道最大流派の裏千家で20年以上にわたり組織を私物化し、昇段の際に会員が納める“挨拶料”などを要求してきた事務総長・A氏の存在を「週刊文春」が報じたのは約1カ月前(6月21日号)。国の重要文化財でもある京都の茶室で“ワイロ”を受け取る証拠写真は会員に衝撃を与えた。

「記事の影響は大きく、A氏は先月末で裏千家(一般財団法人「今日庵」)を退職。家元(千宗室氏・62)が本人に直接引導を渡したとも言われています」(元職員)

 A氏は当初、火消しに躍起になっていた。

「報道翌日には『私の兄は元新聞記者だが文春の記事はこれ以上出ないことを確認しました』と職場で嘘の情報を流していました。ただ、家元の意向で辞めざるを得なくなってからは『3月末には退職する意思を固めていた』と、周囲に記事との関連性を否定するのが精一杯でした」(同前)

 しかし、これにて一件落着とはいかなかった。退職したA氏だが、7月以降も毎日出勤しているという。

「退職直前に人事異動を発令し、自身の子飼いの人物を後釜に据えました。辞める人間が人事を差配するなど前代未聞です。『辞めても講演会などがあるので、机はそのままにしておけ』と言って憚らず、毎日、役員用駐車場に車で乗り付けています」(裏千家関係者)

 こうした事情には先代家元である大宗匠(千玄室氏・95)がA氏に同情的という背景もあるという。

「今年10月にベトナム・ハノイのF社に茶室を寄贈するという一大国際文化交流事業に最後まで関わりたいという思惑がA氏にはあるのです。彼自身が外務省などに熱心に根回ししてきたこともありますが、本当の理由は破格の“お包み”。これまでも裏千家では中国などに茶室を寄贈してきましたが、A氏はその度に先方関係者から“お包み”を受け取って私腹を肥やしてきた。『日本の“ティーマスター”を紹介してやる』というのが、海外での彼の口癖でしたから」(同前)

 裏千家に事実確認を求めたところ、広報担当者が「退職願とおりに退職を認めたものです」と回答した。

 この25年で会員数が半減してしまったという裏千家。いまこそ組織の自浄能力が問われている。