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炎上居酒屋「赤坂自民亭」 各紙読み比べで見えてきた「ギョッとする事態」

振り返っておきたいあの「会合」をめぐる報道

2018/07/20
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「その前日」上川法相は“女将”だった

《赤坂自民亭は党幹部と中堅・若手議員の距離を縮める目的で有志の世話人が運営し、「女将(おかみ)」を上川陽子法相、「若女将」を小渕優子元経済産業相らが務めている。「亭主」には竹下亘総務会長らも名を連ねる。》(産経新聞 7月6日)

 この飲み会で上川法相は「女将」をやっていたのである。え!?

 私でさえ、死刑執行の前日は何をやっていたのだろうと動向を追うくらいなのに、こののん気さはなんだろう。しかも「和気あいあいでよかった」というコメント付き。間が悪くないか。

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 これが「赤坂自民亭」の最初の違和感であった。

「ゲンダイ」対「フジ」の対照的な論調

 そのあとこの飲み会は、記録的な大雨になる恐れがあると気象庁が発表した夜におこなわれていたという点にネットを中心に批判が起きる。

 つまり、人によっては「死刑執行の前日に法相が飲み会の女将?」という違和感を抱いたり、「大雨のなかの飲み会」への怒りもある人もいた。赤坂自民亭はいずれにしてもその間の悪さで注目を集めたのである。

 タブロイド紙の反応も激しかった。

 日刊ゲンダイはまず、

「安倍 批判殺到 死刑に乾杯」

 と報じて批判した(7月9日付)。

7月9日付 日刊ゲンダイと、10日付夕刊フジ(右)

 やはり死刑執行の前日という点に焦点をあてたのだ。しかし豪雨宴会に批判が集まると翌日の紙面は、

「人が豪雨にのまれている中 この政権は何をしていたのか」

 この宴会、ゲンダイ師匠は二度怒ったことになる。

 一方の夕刊フジは、西日本豪雨について、

「野党が政局に利用」(7月10日付)、「立民も 豪雨被害拡大中パーティー」(7月12日付)と書いた。

 と書いた。「ゲンダイ」対「フジ」の対照的な論調である。