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不正が発覚しても……スルガ銀行の“ドン”岡野会長の報酬は2億円

2018/07/24
“スルガのドン”岡野会長 ©共同通信社

 金融庁は13日、金利と別に多額の手数料を顧客から取るなど不適切融資を重ねていたとして、地銀最大手、コンコルディア・フィナンシャルグループ(FG)傘下の東日本銀行に業務改善命令を出した。

 横浜銀行と東日本銀が経営統合し、16年4月に発足したコンコルディアFG。「ともに元国税庁長官の横浜銀の寺沢辰麿頭取(当時)と東日本銀の石井道遠頭取(同)の、天下りトップが主導した地銀連合」(金融庁関係者)だが、規模、収益力で劣る東日本銀では、統合で不利な立場にならないよう営業現場に過度な圧力がかかっていたという。「6月に会長に退いたものの、石井氏の責任は免れ得ない」(同前)見通しだ。

 しかし、東日本銀の不正融資は、氷山の一角との見方が有力だ。「マイナス金利で利ざやが取れない中、収益を確保するため不正に手を染める土壌はどこの地銀にもある」(地銀関係者)とされる。

 その象徴が、シェアハウス「かぼちゃの馬車」のオーナー向け融資で不正が発覚したスルガ銀行。外部の第三者委員会が8月末に報告書をまとめる予定だ。焦点は創業家で事実上のオーナー、岡野光喜会長の責任だが、

「自己破産するオーナーも出る中、昨年度報酬はメガバンクトップを上回る1億9700万円。実弟で16年に急逝した岡野喜之助元副社長には5億6500万円の退職慰労金が支払われた」(同前)

 スルガ銀関係者は「喜之助氏はかぼちゃの馬車を運営するスマートデイズ社の不正を見抜き、一時は出禁扱いにした。会長に物が言える数少ない1人だったが、急逝で全て先送りされた」と悔いる。一方の岡野氏は最近も「あれくらい大したことはない」と悪びれる様子もないという。

 しかし「行政処分の内容次第で不正融資に関する追加の引当金負担が生じ、過小資本に陥る可能性もある。岡野氏を退任させた上での“身売り”は避けられない」(前出・地銀関係者)と見られる。

 その再編先として浮上しているのが、件(くだん)のコンコルディアFGだ。スルガ銀の顧客の9割は首都圏を中心とする個人で、統合メリットも小さくはない。だが、地銀を取り巻く環境は改善の兆しが見えないまま。“地銀の雄”コンコルディアの未来は暗い。