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「世界一孤独」な日本のおじさんは、夏休みをどう過ごすべきか

2018/07/29
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まだ間に合う! この夏休みに3つの「資産」への投資を

 オジサンが人生100年時代の生き方を考えるときには、妻や家族、職場の人間関係などに依存しない「個」としての自立と、社会や人との適度なつながりという両方の視点が重要だ。そこで、この夏休み、未来の自分のために、3つの「資産」への投資をおススメしたい。3つとは「カネ」「コネ」「ネタ」のこと。「コネ」とはコネクション、人とのつながり。「ネタ」とは自分が夢中になれる趣味、仕事を意味する。多くの人が、老後の金融資産などについて心配しているだろうが、「コネ」も「ネタ」も立派な資産。いざという時のために日頃から少しずつ積み立てていくべき財産なのだ。

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「人は一人で生きていくもの」という信仰が日本では根強いが、人は本来、「ソーシャルアニマル」、社会的動物である。つながりの中で生きがいを見出す生き物であり、社会から隔絶されることは最大の生存リスク。会社などでの、抑圧的な人間関係を逃れて、孤独を希求する気持ちもわかるが、ゆるやかな友人や知人関係、コミュニティなど、居心地の良いつながりを作る力はこれからの最強のサバイバルスキルとなる。

 コミュニケーションは苦手で、人と群れるのも苦手というおじさま方は「ネタ磨き」を極めるのもいい。スポーツ、音楽、芸術などの趣味でも、特技でも、「オタク万歳」である。ネタを通じて、つながりができることも多い。もしくは、「やっぱり、生きがいは仕事しかない」という人であれば、ずっと働き続けるための手立てを考え始める必要があるだろう。

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 これからのオジサンの進化と真価が問われる、新しい時代の幕開け前夜の夏なのである。

世界一孤独な日本のオジサン (角川新書)

岡本 純子(著)

KADOKAWA
2018年2月10日 発売

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