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住友生命が異例の発表をした“ライザップみたいな保険” 狙いは顧客情報か!?

2018/07/27
PRには浅田真央(左)と松井秀喜を投入 ©共同通信社
 

 住友生命保険が7月24日から発売した新しい形の健康増進型保険「Vitality(バイタリティ)」。17日には金融商品では異例とも言える発表会を開き、浅田真央や松井秀喜ら有名アスリートがPRに一役買うなど、住生の力の入れようが窺える。

「バイタリティは、南アフリカの金融サービス会社・ディスカバリーが長年蓄積した病気や死亡率に関するビッグデータをベースに、ソフトバンクが持つIT技術と、住生の保険ノウハウが融合された商品です」(保険アナリスト)

 最大の特徴は、腕時計型のウェアラブル端末などを利用し、契約者の食生活、血圧や血糖値などの健康診断ほか、歩数、心拍数などの健康増進活動をポイント化して、保険料を増減させるという点だ。

 最高で最大30%減額され、努力次第でソフトバンクなど提携企業11社から各種商品・サービスの割引等が受けられる特典も付く。だが、最低の場合、年間保険料が最大10%増えてしまう。“結果にコミットする”と謳うライザップの生保版のようなものだ。

「“ついに上陸”と銘打たれているように、バイタリティはディスカバリー社が17の国・地域で数百万人の顧客に販売する商品です。ディスカバリー社のCEOは『生活習慣病で苦しんでいる国では保険料が下げられる効果もあり、日本ではうまくいく』と自信を見せている。ただ、超低金利という環境に加え、保険料が毎年増減する商品特性を考えれば、運用は相当難しい」(メガバンク幹部)

 そもそも人口減少に歯止めがかからず、国内の保険市場は飽和状態。新規の契約を伸ばすことは容易なことではない。それでも、住生がバイタリティの発売に踏み切ったのには理由があるという。

「契約者は1日の歩数などの運動データや検診結果を住生に送らないといけない。営業マンと契約者がコンタクトする機会が増え、顧客の情報も入手しやすくなる。新しい商品を売るチャンスも広がります。いわば住生の切り札。営業マンは揃ってPR用の赤いTシャツ姿で気合を入れていました」(住生関係者)

 橋本雅博社長は10年で500万件の契約を目指すと意気込むが、果たして結果にコミットできるだろうか。