昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

連載THIS WEEK

闇金、イカサマ、ジャンケット……カジノ法成立で暴力団が狙う“裏口参入”

 経済対策の目玉として浮かんでは消えてきたカジノを解禁する統合型リゾート(IR)実施法が7月20日、成立した。全国紙社会部記者の解説。

「今後の対策のポイントのひとつが規制や治安となるのは間違いありません。当初は、『査察官』という警察官並みの権限を持った役人の制度を新設する案までありましたが、それは最終的に撤回。その代わりに、公正取引委員会などと同様に独立した権限のある『カジノ管理委員会』を設置し、既存の警察当局との連携で規制と治安維持にあたることに決まりました。その一方で警察の一部には、カジノ規制がパチンコ規制に類似していることから、カジノ管理委員会の事務局にもポストが増えることを期待する声もあります」

 そんな警察当局が最も目を光らせなければならないのが、暴力団の動向である。賭博が禁止されてきた国内では、当然ながら海外の事業に携わってきた一部関係者をのぞき、カジノ運営にまつわるノウハウを持ったプロはいない。唯一の例外が、国内で長年にわたって違法カジノを水面下で運営してきた暴力団だ。

 警察当局は各地の繁華街にある違法カジノを毎年のように摘発してきているが、警察関係者は「存在する違法カジノに比べ、摘発の数はわずかにすぎない」とほぞをかむ。最大の懸念は、営業ノウハウを持った暴力団関係者が背後にいる業者の合法カジノ参入だが、当の暴力団が目指す本丸は「裏口参入」だという。

うまい汁を吸うのは誰? ©共同通信社

 賭博に詳しい暴力団関係者は、こうそろばんを弾く。

「カジノへの直接参入が難しいことはわかっている。周辺産業でもうければいいだけ。上客を勧誘してカジノに仲介する世話人の『ジャンケット』や、ギャンブル狂いに資金を提供する貸金業など。複数の客でイカサマしてカネを吸い取る手口もある。カジノでわざと負けて、別の客をわざと勝たせれば跡の残らない送金もできるし、シノギで得たカネでチップを買って換金するだけで簡単なマネーロンダリングだってできる。合法カジノからあぶれた客を誘い込めば、従来の違法カジノの収入増も見込める。やりようはいくらでもある」

 捜査関係者は「ジャンケットや闇金などの周辺対策が最大のカギなのは分かっている」と自信は見せるが、さて。