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プーチンとトランプの顔を合成!? 米ロ首脳会談大失敗の舞台裏

表紙には「サミット危機」と一言(「TIME」誌HPより)

 米国のトランプ大統領とロシアのプーチン大統領の顔を合成した奇妙な顔が米誌「TIME」最新号(7月30日発売)の表紙を飾った。同誌はその狙いを、フィンランドでの米ロ首脳会談(16日)を受け「米外交が特別な局面に入ったことを示したかった」と皮肉混じりに説明した。

 トランプ氏は6月のカナダG7サミットを前に「ロシアをサミットに復帰させるべきだ」と主張するなど、ロシア寄りの姿勢を見せてきた。安倍晋三首相にもトランプ氏は「指導者としてキャリアがある。ちゃんと話さないといけない」とプーチン氏を評価する発言をしているという。

 米政府関係筋が分析する。

「トランプ氏は中間選挙を意識して保護主義政策に突き進む一方、EUとは追加関税措置で対立が深まっている。安全保障を巡っても、NATO諸国に防衛費負担増を要求し、ドイツなどと衝突。孤立を回避するには、ロシアと接近するしかなかったのでしょう」

 そんなトランプ氏の“秋波”を受け、プーチン氏はサッカーW杯中にも招待しようとしたが、米国は不出場。結果、ヘルシンキの大統領公邸で会談することになったという。

「ドイツのメルケル首相を4時間以上も待たせた“遅刻魔”プーチン氏はこの日も、予定より30分以上遅れて空港に現れました」(同前)

 通訳のみで約2時間の首脳会談。トランプ氏は「核軍縮は我々で前進させられる」と述べ、プーチン氏もこれに呼応してみせた。だが——。

「カメラが入る会談冒頭や共同会見で口火を切ったのはプーチン氏。会見を仕切ったのもロシアの報道官です。プーチン氏がテロやエネルギー問題を語ったのに対し、トランプ氏は、ロシア疑惑を巡ってプーチン氏とFBIのどちらを信用するか問われ、ロシアの肩を持つ始末。帰国後に『言い間違い』と修正しましたが、厳しい批判に晒された。トランプ氏の成果といえば、北朝鮮問題での連携確認とプーチン氏から手渡された“W杯のサッカーボール”だけでしょう」(共和党関係者)

 他方、米国対EUの対立やW杯を利用し、国力向上に繋げるプーチン氏。“目の上のたんこぶ”NATOも自らの手を汚さず崩れつつある。トランプ氏の自滅で、約1年ぶりの会談は、プーチン氏の“合わせ技一本”に終わった。