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連載シネマチャート

宗教絵画のような映像で迫る、インドでの労働力搾取の現場 「人間機械」を採点!

シネマチャート

〈解説〉

経済成長が目覚ましいインドの労働者たちの姿に迫る社会派ドキュメンタリー。国内で最も工業生産が盛んな北西部グジャラート州には、国内各地から出稼ぎの労働者が集まってくる。カメラはある巨大な繊維工場の内部に入り、近代化されていない劣悪な環境で、幼い子どもを含む労働者たちが、肉体を酷使して働く姿を映し出す。また、労働者、経営者、斡旋業者へのインタビューから貧困の構造にも迫る。淡々とした長回しの映像の美しさと、反復性のある機械音を捉えた音響設計が評価され、サンダンス映画祭ほか各国の映画祭で7つの賞を受賞。ラーフル・ジャインの初監督作。71分。

  • 中野翠(コラムニスト)

    ★★★☆☆単純労働の現実を執拗にカメラで追ってゆく。古典的な搾取の実態。いずれこの種の作業すら不要に?!と暗澹となった。

  • 芝山幹郎(翻訳家)

    ★★★★☆貧乏が物質であることをまざまざと実感させる。自然光を生かした映像が端正な分、迫力も異様。社会派をはみ出す怪作。

  • 斎藤綾子(作家)

    ★★★★☆大量消費が生み出した大量生産の記録か、日本社会で頻繁に起こる過労死や自殺と重ねて労働の在り方を考えてしまった。

  • 森直人(映画評論家)

    ★★★★☆凄まじいインダストリアルな轟音。労働の苛烈を浴びるように体感する。下部構造の告発にして前衛的なノイズ・アート。

  • 洞口依子(女優)

    ★★★★☆人間が機械なのか機械が人間なのか。正体の見えぬ迷路のような工場の中で強いられる労働。機械音が無慈悲さを増す。

  • もう最高!ぜひ観て!!★★★★★
  • 一食ぬいても、ぜひ!★★★★☆
  • 料金の価値は、あり。★★★☆☆
  • 暇だったら……。★★☆☆☆
  • 損するゾ、きっと。★☆☆☆☆
©2016 JANN PICTURES, PALLAS FILM, IV FILMS LTD

INFORMATION

『人間機械』(インド、独、フィンランド)
ユーロスペースほか全国順次公開中
監督:ラーフル・ジャイン
http://www.ivc-tokyo.co.jp/ningenkikai/