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ナメてはいけない「暑さ指数」――災害級酷暑を生き延びるための基礎知識

2018/07/31
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気温41.1℃に達した日の熊谷の「暑さ指数」は29.5℃

 ためしに埼玉県熊谷市の、7月27日(この日はだいぶ涼しいですが)を見てみると……暑さ指数は23.0℃。

 

 「暑さ指数(WBGT)の実況と予測」では、このように時間ごとの暑さ指数と警戒レベルがわかります。ちなみに最高気温を更新した7月23日14時の暑さ指数は29.5℃(厳重警戒)、15時で31.1℃(危険)でした。ふだんから暑さ指数をチェックしている方は、「あれ、うちのあたりとそんなに変わらないな」と思ったのではないでしょうか。気温が40℃を超えるような地域は注目が集まりがちですが、そこまでの高温でなくても暑さ指数で見ると「危険」レベルに達していることがあるので、注意が必要です。

子どもの「暑さ指数」は大人と違う

 これは「通常の暑さ指数」ですが、同じく7月27日の熊谷で「子供」をクリックするとどうなるでしょうか。

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 暑さ指数は23.1℃。わずかですが警戒レベルが上がりました。これは、子どもの身長では大人よりも地面からの照り返しを強く受けるため、地表50cmでの予測値となっているためです。大人の高さの150cmに比べると、暑さ指数は平均0.1~0.3℃ほど高くなりますが、日射が強く風が弱い日には2℃程度高くなることもあります。ベビーカーの赤ちゃんは50cmよりも座面が低く路面に近いので、さらに暑さを感じることになります。

 ほかにも、「駐車場」「交差点」「温室」「体育館」といった場所での予測値を見ることができますが、特に暑さ指数が高くなるのは「住宅地」です。住宅が密集し風通しの悪い場所では昼間はもちろん、夜間もなかなか気温が下がりません。環境・条件による変化の大きさはあくまでも目安ではありますが、「地点+環境」でチェックして、防暑対策を考えるとよいのではないでしょうか。