昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

美間と曽根のトレードで思い出した 岸本秀樹と木村昇吾のこと

文春野球コラム ペナントレース2018

2018/08/03

 トレード期限あと一週間ほどの7月22日、カープの美間優槻選手とホークス・曽根海成選手の交換が発表されました。ともに守備に定評のある若い内野手ですが、ホークスは美間の長打力、カープはいざとなったら捕手も可能な曽根のユーティリティ性を評価したようで、それぞれが期待されての移籍となりました。

 ここ数年のカープはこれまで以上に育成に力を入れており、FA選手を獲得しないのはもちろんのこと、交換トレードもあまり実行されていません。それどころか外国人まで育成重視で、日本人若手選手と同様にチャンスを与えられたサビエル・バティスタ、アレハンドロ・メヒア、ヘロニモ・フランスアらカープアカデミー出身者が台頭してきています。交換トレードは2013年のペローンこと青木高広投手とジャイアンツ・小野淳平投手以来、実に5年振りです。あの時も今回のようにシーズン途中のトレードでした。

垢抜けたルックスだった岸本

 カープの現役選手のうち他球団を経て入団した選手は、タイガースから出戻った新井さんを含めてもわずか5人。そのうち一岡竜司投手、赤松真人外野手はFAの人的補償、新井さん、佐藤祥万投手は自由契約選手の獲得で、交換トレードは曽根選手だけです。

 そこで外部補強の多そうなジャイアンツを調べてみると、他チームを経て入団した選手はFA復帰の上原浩治投手、脇谷亮太内野手を含めて12人。ざっとカープの倍以上ですが、ジャイアンツも交換トレードで獲得した選手は吉川光雄投手、立岡宗一郎、石川慎吾両外野手の3人だけ、あとは8人がFA、1人が自由契約選手です。移籍の多いジャイアンツにおいても交換トレードは少数派なんですね。

 FAのなかった時代、交換トレードが現役選手獲得の最有力手段でした。張本勲、江夏豊、落合博満……球界を代表する大物選手の交換トレードは「ストーブリーグ」と呼ばれ冬の野球ファンをざわつかせたましたが、今やほとんど死語ですね。

 21世紀になってからのカープの交換トレードで印象深いのは、小山田保裕投手を放出して、岸本秀樹投手、木村昇吾内野手を獲得した2007年のシーズンオフでしょう。

 ヒゲの小山田投手に代わってやってきた岸本投手は、一言で言って「ハンサム」でした。189センチの長身にパッチリ大きな眼。表情は愁いを帯びており、実にカッコイイ、当時のカープには少ない垢抜けたルックスでした。今で言うと九里亜蓮投手の感じが近いですね。「さすが横浜から来た選手は都会っぽいわ」と感心したものです。そのころは岸本投手が京都府出身とは知りませんでした。

九里亜蓮の感じが近い岸本秀樹 ©時事通信社