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中日・平田良介の走塁技術 秘密は「ドカベン」と「大阪桐蔭」にあった

文春野球コラム ペナントレース2018

2018/08/07

平田良介が夢見る「理想の試合」

 平田の走塁技術は大阪桐蔭でさらに進化する。

「部員は50人ほどですから、全員同じメニューをします。1年生が球拾いで終わることはありません。特徴はランナー付きのノックや打撃練習を真冬以外は毎日することです」

 ランナーは1年生の担当だ。

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「とにかく走りまくるし、走らない時はランナーコーチをするんです。だから、始めの1年で走る力と判断する力が磨かれます」

 中日ドラゴンズの奈良原浩内野守備走塁コーチはかつて埼玉西武ライオンズでも指導していた。

「意外かもしれませんが、西武で走塁が一番うまかったのはおかわり君(中村剛也)。あと、浅村(栄斗)でした」

 恐るべし大阪桐蔭。

 あのボテボテのセカンドゴロから11年後、平田は甲子園で1試合3発を放ち、長打が魅力のスラッガーとして騒がれた。

 プロ入り後も6年連続2桁本塁打を記録するなど常にバットに注目が集まった。そして、ついに今年はタイトルが狙える位置にいる。

 しかし、平田は言う。

「僕には理想の試合があります」

 息を飲んだ。

「ノーヒットで勝つ試合です。野球はヒットが出なくても、ありとあらゆる方法で勝つチャンスがある。こんな面白いスポーツないですよ」

 今、最もヒットを打つ確率が高い男、平田良介。

 しかし、彼の視線は首位打者に向いていない。今日もまた「1つ先の塁」なのだ。

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