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ヤフオクドームのビールの売り子さんとお客さんにはドラマがある!

文春野球コラム ペナントレース2018

2018/08/12

 各チームの本拠地で頑張っているビールの売り子さんがクローズアップされ、球場によってはアイドルのようなポジションを築きつつある。素晴らしい事だ! 誇らしい事だ! 大好きなプロ野球にまつわる全てが話題になって盛り上がればいいと著者は思っている。

 ちなみにホークスの本拠地ヤフオクドーム。“りのさん”は開幕した3月~7月までキリンの売り上げ杯数ナンバーワン!

キリンの“りのさん”は上半期の売り上げナンバーワン

 笑顔の裏側で、彼女たちのお仕事はとっても重労働。およそ20キロのビール樽を背負ってスタンドを昇ったり降りたり。“ゆりあさん”は大学4年生のラストシーズンを3月~7月までアサヒの売り上げ杯数ナンバーワンの人気売り子だ。

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アサヒの“ゆりあさん”は社会人になる前のラストシーズンを噛みしめる

 そんな華やかな売り子さん達が魅力的なのはもちろんだが、なんといっても野球場で生ビールを飲むというのはお客さんにとっての醍醐味であり、彼らがいなければ売り子さんも輝き続ける事は出来ないのである。

 なので、今回のコラム。主役は可愛い売り子さんじゃなくて、売り子さんからビールを買う球場のお客さんたち。貴方の飲み方に近い人もいるかもしれない? 今回は売り子とお客さんのドラマティックコミュニケーション劇場inヤフオクドームを初公開しよう。

ヤフオクドームの売り子さんとお客さんのドラマ

すでに酔っぱらっているように見える笹さん。気のせいだろう

 1試合平均4~5杯飲むという笹さん(49)は「何が良いってお釣りを渡す時の売り子さんの手にサンドイッチされながら釣銭を渡されるサービスが良いんよ。お釣りが出るようにしか支払わないもん。※筆者注:これはサービスではありません」。つづけてこう話す。「どんなに遠くを歩いていてもお気に入りの売り子さんがどこにいるか分かるようになったもんねぇ、売り子さんはアイドルみたいなもんやけんねぇ」とのこと。

 さらに笹さんはこうも言う。「ヤフオクドームは今年から試合開始前のビールが500円というサービスがあるんでね、そこで3杯ぐらい飲んでプレイボールの時には顔が真っ赤よ(笑)。※筆者注:これはサービスです」。幸せそうで何よりだ。

泡の比率にこだわる男、平岡さん

 年間30試合以上ヤフオクドームに観戦に来て1試合平均5・6杯飲む平岡さんは注ぎ方にこだわりを持つ。「基本は泡が3でビール7の割合だけど、出来れば泡が2でビールが8っていうのが嬉しいね」。そんな平岡さんの推しの売り子さんは“みゆきさん”だそうで、理由を聞いてみると「女性としてタイプやもんね。会話してても面白いからいつも彼女から買うもんね」。

 いや、平岡さん、もはや泡の割合関係ないじゃないですか(汗)。

 最後に平岡さんは堂々と言った。「酔っぱらったら泡とか見てないもんね」と(笑)。

全国の球場で生ビールを飲んでいる片山さん

 1試合平均4杯ほど生ビールを飲む片山さん(39)は全国の野球場を巡っているからこそ比較できる点も多いようだ。「今は全国どこの球場も生ビールは透明のカップになっているから泡とビールの割合が明朗でいいけど、数年前の紙カップの頃は注いでもらってしばらくしたら半分ぐらい減ってたりしたよね(笑)。泡が多すぎて全然ビールが入っていないとそういうことになるからね(笑)。でもヤフオクドームは売り子さんの数が圧倒的に多いから助かるよ。飲みたいときにすぐ近くに売り子さんが通り掛かるんだもん。お客思いの球場だよね」。

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