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ホークスのルーキーとベテランの絆――大竹耕太郎と長谷川勇也の場合

文春野球コラム ペナントレース2018

2018/08/14
note

これこそまさにベテランと若手の共存

 この試合ではスタメン出場しましたが、今季1軍では代打での出場が主だった長谷川選手。1打席しかない中で、「打てるか打てないかは、天国と地獄みたいな生活」と自身の立場を受け止めていました。その1打席の重みを感じてきたからこそ、スタメンで出場しても1打席1打席の集中力は計り知れません。そこに強い気持ちが乗ったら尚更です。

「僕にとって良い刺激にもなるし、僕も後輩が見て勉強になる姿勢を魅せないといけない」

 そんな長谷川先輩の想いを大竹投手に伝えると「そんなに人前で練習してたつもりはなかったんですけどね~」と照れながらも、嬉しそうな笑顔を浮かべました。いや~、見ている人は見てるんですよね!

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 初先発の試合後も「ナイスピッチ」と長谷川選手に声を掛けられたそうです。ちなみに、7月に初めて1軍練習のシート打撃に登板した時は、長谷川選手にレフト前ヒットを打たれました。ロッカーに戻ると「うぇーーーい」と茶化されたそうです(笑)。でも、なんで打てたのか、大竹投手の投球がどう見えたのかを打者目線で説明してくれたと言います。

「一生懸命やってる人には声掛けたいし、自然とそうなります」と長谷川選手。これこそまさに、ベテランと若手の共存。相乗効果です。

 チームが苦しんでいる時こそ、こうして支えあい、高めあえる関係は最強だと思いました。それが若手とベテランならより一層。今を戦う選手たちが奮起しながら、若い世代が育ち、ホークスの常勝時代が続いていくことを願っています。

《追伸》

 以前のコラムにて書かせて頂いた始球式で球速100キロの挑戦、上杉あずさの“めざせ100キロプロジェクト”。

 実は、8月11日のヤフオクドームでの日本ハム戦・セレモニアルピッチでリベンジの舞台を頂きました。そこで、ピタリ100キロをマーク! 初めて硬球を握った時は70キロ前後だった球速も、2年弱練習してきて、まずは目標としていた100キロを達成することが出来ました。支えて頂いた、応援して下さった皆様に感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました。

100キロ達成の瞬間 ©上杉あずさ

 相乗効果、高めあいなんて言うのは恐れ多いですが、この結果を受けて、現役の大学、高校球児やプロ野球選手にも「勇気もらいました」、「自分ももうちょっと頑張ってみようかな」などと声を掛けてもらいました。私自身は、むしろ野球で輝く皆さんに刺激を受けて頑張れたので、そんなふうに思って頂けたとしたら本当に感無量です。

 このプロジェクトに取り組む日々で、野球がより好きになり、もっと野球を知りたい、深めたいと思うようになりました。そして、甲子園でも馴染みある済美高校の校歌の歌詞にある「やればできるは魔法の合いことば」のように、何の取り柄のない自分でも、やり続ければ目標は叶えられるんだとちょっぴり自信にもなりました。

 これからも、取材人としても一人の野球好きタレントとしても成長していけるよう、引き続き頑張ります。文春野球コラムと共に、私の挑戦も応援して頂けたら嬉しいです。ありがとございました。

※「文春野球コラム ペナントレース2018」実施中。コラムがおもしろいと思ったらオリジナルサイトhttp://bunshun.jp/articles/-/8366でHITボタンを押してください。

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