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いま注目の19歳、楽天・西巻賢二と藤平尚真に聞いた「甲子園の記憶」

文春野球コラム ペナントレース2018

2018/08/14
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「仲間想い」の横浜高校出身・藤平

平石監督代行と横浜高校出身の藤平尚真選手 ©RakutenEagles

 8月9日(野球の日)、2年目本格右腕・藤平尚真選手が7回3安打無失点で112日ぶりに勝利を手にした。この日は母校の横浜高校(南神奈川)が愛産大三河高校に7ー0で大勝した日でもあった。

 一昨年の夏、第98回大会での1回戦、東北高校を相手に7回13三振を奪った甲子園を沸かせた藤平選手に話を聞かせてもらった。

河内「藤平選手が3年の時、1年生だった選手が甲子園出場しますね?」

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藤平選手「そうですね。万波や板川、角田など自分達が3年の時も活躍してくれたメンバーがいるので、自分も楽しみにしています」

河内「前監督の渡辺元智さん、平田徹監督の元で得たものは何ですか?」

藤平選手「渡辺監督の人間性に憧れて、この人に教わりたいと思って横浜高校に行きました。『目標はその日、その日を支配するんだぞ』という教えの中で、野球以外でも私生活まで付きっ切りで指導してもらい、今でも感謝しきれないぐらいです。平田監督には、何時でも自分の頭で考えて野球の練習をやれというのを教わりました。プロに入ってからも自ら考える野球ができるようになったのは平田監督のおかげです」

河内「横浜高校の大先輩・松坂投手はどんな存在ですか?」

藤平選手「自分が生まれた年の1998年に横浜高校で春夏連覇して、特別な縁を感じています。松坂さんが投げている姿を見て、もっと頑張らないといけないという気持ちになるので、自分の中ではヒーローです(笑)。松坂さんに負けないくらい若さを出して頑張りたいと思います」

河内「甲子園の土は持って帰りましたか?」

藤平選手「母親、父親にはもちろん渡しました。そしてずっと練習をサポートしてくれた、メンバーに入れなかった同級生にも持って帰りました。背番号を貰う為に最後の最後まで必死でみんな練習していたので、土は自分より他の選手にあげたいと思って渡しました」

 心が打たれた瞬間だった。「仲間想い」の熱き野球人である。

好きなおにぎりの具は「明太子」にいきかけたが、やっぱり「梅」の藤平選手 ©河内一朗

河内「後輩へのエールをいただけますか?」

藤平選手「横浜高校は強くないといけない、という事を選手が一番わかっていると思うし、こういう記念大会は1番目立てるところだと思うので、絶対優勝を目指して全力で頑張ってほしいです」

 母校、名門・横浜高校は昨年の夏の覇者・花咲徳栄高校(北埼玉)と、平成最後の第100回全国高等学校野球選手権記念大会で本日14時30分に、甲子園球場でぶつかり合う。

 横浜高校のスピリットを受け継いだ藤平選手が甲子園に出場している後輩から刺激をもらいながら、1軍のマウンドで三振を奪う姿が見たい。残りのペナントレースで大きな戦力になってくれる事を期待しよう。

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