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西武独走、それでもファイターズを楽しむおばあちゃんの知恵袋(うそ)

文春野球コラム ペナントレース2018

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「最初に戻って考えてみる」おばあちゃんの知恵袋

 苦しいとき、勝てないときは最初に戻って考えてみる。これは千歳船橋のおばあちゃんから教わった生活の知恵だ。例えば開幕前、NHK『サンデースポーツ』の順位予想はどうだったかとおばあちゃんは尋ねている。と、大野豊氏→6位、伊東勤氏→6位、和田一浩氏→6位と評論家は全員、最下位予想である。唯一、タレントの岡田圭右(ますだおかだ)さんだけが5位だった。大谷翔平が抜け、増井浩俊、マーティンが抜け、谷元圭介、大野奨太が抜けたチームに上がり目はないというわけだ。だけどねおばあちゃん、ファイターズ頑張って2位にいるんだよ!

開幕前、多くの評論家が「6位・日本ハム」と予想していた ©えのきどいちろう

 僕は2016年日本一チームの解体だなと思ったのだ。そして、今年は新しいチームの土台をつくるシーズンになるだろうと考えた。新しいエース、新しいクローザー、新しい中継ぎ陣、新しい外野陣、新しい二遊間、新しい正捕手……。固まれば向こう何年困らないような新しいチームのベース。評論家が軒並み最下位予想の年にチャレンジすべきはそこじゃないかと思った。だから失敗したっていい。失敗したってチャレンジしていればいい。チャレンジしないのが最悪だ。チャレンジしなけりゃ失敗しない代わりに何も得るところがない。

 ということで楽しむ方法その4、これから最終の西武4連戦まで、その土台づくりの進捗を見ればいい。新しいエースは上沢か有原か、はたまたマルティネスか。新しいクローザーは石川直也が戻ってくるのか、浦野の復権か。ライトは大田泰示が戻るのか、松本剛や淺間が奪い取るのか。セカンドはどうなる。結局、田中賢介なのか。渡邉諒はあれっきりか。石井一成はあれで引き下がる気か。横尾は守る場所を奪えないのか。太田賢吾はもうノーチャンスか。

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 僕が夢見るのは2018年のチームが、個々の選手の成長に掛け算されて、たくましく変貌することだ。今は首位西武だけでなく、どことやっても苦しい試合になる。でも、そこから逃げないでほしい。(結果のファンはともかく)ファイターズのファンは逃げないからさ。「大野豊さんは何位の予想だったんだい?」とおばあちゃんは言っている。ダメでもともと、気が楽じゃないか。野球はここからが面白いんだよ。

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