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盛り上がる夏の甲子園から、楽天ドラフト1位を探してみた

文春野球コラム ペナントレース2018

 第100回全国高等学校野球選手権記念大会もとうとう決勝戦を迎えた。過去最多の56校が参加した記念大会、初戦の龍谷大平安vs鳥取城北や、2回戦では星稜vs済美、準々決勝金足農業vs近江他、例年以上に劇的な試合が多かったように思う。そして将来楽しみな素晴らしい選手もわんさかいた。

 という事で今回は100回大会から楽天イーグルスのドラフト1位を探ってみたい。

高校野球界No.1遊撃手誕生の陰にモー娘。の存在

 まずピッチャーならこの選手で決まりだろう。金足農業の吉田輝星投手だ。もちろん地元東北の選手というのも魅力だが、一番はあのストレートの球質。同じ145キロでも明らかに打者の手元で伸びているがゆえに初戦の鹿児島実業のバッターは胸元より高い球に手が出ていた。ストレートだとわかっていて空振りが取れる全盛期の藤川球児投手になれる逸材である。クイックモーションや牽制のレベルも高く、1年目から先発をまかされても驚かない。将来的には則本昂大投手のようなエースに成長してほしいし、どことなく雰囲気が美馬学投手っぽいのもいい。

 ちなみに吉田投手は今大会20日現在で58個の三振を奪っている。今日偶然トークショーでご一緒した板東英二さんが吉田君の身体の事を考えたら休ませてあげたいをやたらと連呼していた。決してご自身の奪三振記録が危ういからではない。絶対に違う。板東さんはそんな方ではない。たぶん。たぶん違う。おそらく……。

金足農のエース・吉田輝星 ©AFLO

 さぁ二人目は内野手、楽天イーグルスはショートが欲しいはずだ。今年は大阪桐蔭の根尾昂、益田東の首藤舜己、済美の中井雄也、近大附の道正陸人など有望なショートが沢山いた。その中でも一人次元が違ったのが報徳学園の小園海斗選手だ。

 まず驚かされるのはその守備位置、甲子園で芝の部分で守ってる高校生なんて初めてみたかもしれない。今大会のショートと比べても2〜3メートルは深い。かといってボテボテのゴロもチャージの速さと肩の強さが尋常ではないため難なくこなしてしまう。ショートの守備だけなら正直すでにプロ野球一軍レベルだと感じている。あのバネ、躍動感はどこからくるのか? 実は小園選手の父は大のモーニング娘。のファンらしく、よく自宅でライブビデオを鑑賞していたのだという。自然と小園選手も2〜3歳の頃からライブビデオを一緒に見るようになり、なぜだか保田圭さんが画面に映る時だけ激しくステップを踏むようになっていたのだという。高校野球界ナンバーワン遊撃手誕生の陰に保田圭さんの存在があった事はあまり知られていない。

 そして三人目は楽天イーグルスの長年のテーマ「右の和製大砲」。これに関しては近江の北村恵吾選手なんてどうだろう。準々決勝戦で金足農業に惜しくもサヨナラ負けしたが、20日現在打点12は出場選手トップ。スイングスピードではなくバットに乗せるのが非常に上手くスタンドに運ぶ。今大会このタイプの生粋のホームランアーチストは意外に少ない。高校時代の岡本和真選手と非常に被る存在。野球以外ではボウリングが特技でハイスコアはゆうに200を越えるという。バットに乗せるのが上手く、特技はボウリング……。落合博満になれるかもしれない。