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麻原彰晃の遺骨は「永久保存」される? オウム死刑執行で残る課題

死してなお火種となり続ける

 オウム真理教の一連の事件をめぐり、死刑が確定していた元教団幹部ら6人の刑が7月26日、東京・仙台・名古屋の3拘置所で執行された。これでオウム事件の刑事手続きが全て終結したことになる。

 今回執行されたのは、岡崎(現姓・宮前)一明(57)、横山真人(54)、端本悟(51)、林(現姓・小池)泰男(60)、豊田亨(50)、広瀬健一(54)の各死刑囚。オウム事件担当記者が説明する。

「法務当局は、残された6人の執行もなるべく早期に行いたい考えでした。『これでいつ自分が執行されてもおかしくない』という、6人の心理的な負担や厳重な警備態勢を長引かせたくなかったからです。6日の執行直後は、麻原彰晃元死刑囚の『遺骨問題』で妻子が東京拘置所に出入りするなど混乱が続いていたため、ようやく落ち着いたことを見計らって2度目の執行に及んだとみられます」

 7月9日に東京都内で火葬された麻原の遺骨は、依然として東京拘置所に保管されたままだ。麻原自身は死刑執行直前に遺体の引き取り先として四女を指名したとされるが、妻や三女らが引き渡しを要求している。この扱いをめぐって、法務当局は頭を抱えているのだ。

 2006年1月から家族の元を離れ、オウムの信仰とは完全に決別したという四女側は、「埋葬する場所が後継教団の信徒にとって『聖地』とならないよう、広大な太平洋に散骨したい。ただ、引き取った場合に奪還をもくろむ信徒から襲われるなど身に危険が及ぶ可能性がある」として、国による遺骨のパウダー化と、海に散骨する場合の警備を求めている。

 これに対し、法務当局内の意見は2つに割れている。

「麻原の遺骨をパウダー化し、散骨を警備するというのは現実的に難しい。そんなことをしたら、まるで『国葬』になってしまう。結局はどちらにも引き渡さず、東京拘置所内で永久に保管し続けるしかない」(法務省関係者)

 もう一方ではこんな声も。

「教祖の遺骨が東京拘置所に留め置かれると、拘置所自体が信徒にとって聖地化され、崇拝の対象になってしまう。そんな状況は何としても避けたい」(別の法務省関係者)

 13人の執行で終わるはずだったオウム事件。本当の結末はまだ先になりそうだ。