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“高齢者向けの生き方実用本”生活と人生のヒント41

『一〇一歳の習慣』(髙橋幸枝 著)――ベストセラー解剖

2018/08/08
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『一〇一歳の習慣 いつまでも健やかでいたいあなたに、覚えておいてほしいこと』(髙橋幸枝 著)

 心落ち着かない時代を生きる我々に“人生本”は心の教科書。中でも日野原重明氏が拓いたアラハン(around hundred・約100歳)本は、高齢化社会が進むにつれ、確実に“売れる本”の一隅を占めている。

「ここ数年、101歳の精神科医・髙橋幸枝先生は各社から引っ張りだこ。当社の前作『こころの匙(さじ)加減』も27万部を超えました」

 と語るのは担当編集者の池上直哉さん。他社の仕事でおばあさんの人生本の大ヒットを手掛けた経験を持つ。本書を作るにあたり、「同じ著者の本が何冊も出ると、どうしてもネタの使い回しになりがちです。『いい話はもう充分聞いた』と感じている読者のため、次の手として、実践編とも言うべき“高齢者向けの生き方実用本”を作ろう、と考えました」

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 目次を見ると「後悔のタネは、減らしておく」「自炊にしがみつかなくていい」「1日に何度か空を眺める」など生活と人生のヒントが41項目並ぶ。

 感想を記した読者のアンケート葉書は「〇〇〇の項目は、自分でも今日から真似できると思いました」という感想がほとんどで、まさに当初の狙い通り。

「本書と合わせて、髙橋先生の基本図書『こころの匙加減』も一緒に売れています。この本の一番の強みは先生が大変お元気なこと。医師である先生が日々実践して、101歳の現在までお健やかとなると、それ以上の説得力はないですね」

2018年2月発売。現在2刷5万5000部

100歳の精神科医が見つけた こころの匙加減

高橋幸枝(著)

飛鳥新社
2016年9月8日 発売

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“高齢者向けの生き方実用本”生活と人生のヒント41

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