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「小室圭さんは眞子さまのフィアンセではない」宮内庁伝達の真意とは

「納采の儀」はなぜ現代まで続いているのか?

2018/08/06
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フォーダム大学の認識は「誤解」

 宮内庁によれば、皇室では伝統的に「納采の儀」を経て正式な婚約となるという(本来は、眞子内親王と小室圭さんの納采の儀は今年3月4日に行われる予定であった)。つまり、宮内庁は、今の時点では眞子内親王が小室圭さんと婚約した状態ではないと判断したのである。それゆえ、フォーダム大学の認識は「誤解」であるとして、それを解くために小室圭さんが眞子内親王の婚約者ではないことを宮内庁が伝える、というのが冒頭の報道であった。

2014年に国際基督教大学を卒業した小室圭さん 宮内庁提供

 この伝達を受けてであろう、現在ホームページでは「Mr. Komuro and Japan’s Princess Mako announced in September 2017 that they plan to marry.(小室氏と眞子内親王は結婚する予定だと2017年9月に発表した)」と訂正されている(8月5日時点)。

納采の儀は、仁徳天皇にまでさかのぼる「結納」にあたる儀式

 では、その納采の儀とは何だろうか。古くは、中国の前漢時代の婚約・結婚に関する儀式であり、日本では仁徳天皇にまでさかのぼると言われる。一般では「結納」と呼ばれる儀式に相当するもので、皇室の儀式が一般社会に浸透して結納が行われるようになったとのことである。2014年、高円宮典子女王が千家国麿さんと結婚した時には、婚約内定から約1カ月後の7月4日、高円宮邸で行われた(眞子内親王と小室圭さんの納采の儀は、婚約内定から半年後に行う予定だった。その期間が長いのは、NHKのスクープによって婚約内定を早く公表しなければならなかった事情があったからだろう)。

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2014年5月27日に行われた、高円宮家の次女・典子さまと千家国麿さんの婚約内定記者会見 ©JMPA

 この時の納采の儀は千家国麿さんの叔父である千家和比古出雲大社権宮司が高円宮邸を訪問し、応接室で高円宮久子妃と典子女王に「千家国麿は結婚を約するために典子女王殿下に納采を行いたく存じます」と述べ、納采の品の目録を渡すというものであった(「朝日新聞」2014年7月4日夕刊)。納采の品は、木箱に入った清酒3本 、白い絹のドレス生地(披露宴に使われる)、鮮鯛と呼ばれる鯛の代金であった。これによって高円宮典子女王と千家国麿さんが正式に婚約したのである。その後、告期の儀が行われ、結婚式の日取りが告げられた。