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恐るべき16歳、清宮幸太郎 “最初で最後の夏”に放ったホームラン【夏の甲子園100回! ベストシーン】

2015年 早稲田実8-4東海大甲府

2018/08/15

今年で第100回を迎えた“夏の甲子園”。
その 100年を超える歴史は名勝負の歴史でもあります。波乱・衝撃、旋風、怪物、ライバル、そして大逆転・・・・・・。
「甲子園」というフレーズだけで、さまざまな場面がよみがえってきます。
そのなかから、もう一度振り返りたい“ベストシーン”をご紹介します。
【2015年(平成27年) 第97回 3回戦 早稲田実[東京]8-4東海大甲府[山梨]】

 

『夏の甲子園 名勝負ベスト100 (文春MOOK)』より

◆◆◆

 清宮幸太郎(現日本ハム)。早稲田実業の主砲として高校通算111本の本塁打記録を打ち立てた将来を嘱望される長距離打者だ。

「和製ベーブ・ルース」と呼ばれた少年

 父・清宮克幸は、ラガーマンとして早大、サントリーなどで活躍。幸太郎はその血を受け継いだスポーツ界のサラブレッドとして、小学校時代から注目されていた。北砂リトル時代は、アメリカで行なわれた世界大会で本塁打を打ち、「和製ベーブ(ルース)」と称された。 

2012年リトルリーグ世界選手権で優勝、早実入学後は1年から主軸として期待された ©文藝春秋

 平成27年、早実に入学すると、すぐにレギュラーとして試合に出場。早くも4月から本塁打を記録した。夏の西東京大会でも20打数10安打のハイアベレージをマークし、1年生ながら堂々、甲子園の土を踏むことになった。

1年生ながらヒット連発

 甲子園では初戦、今治西(愛媛)に6 -0で快勝。「3番ファースト」で出場した清宮は、7回にタイムリーヒット1本を記録。投げてはエース松本皓が8回無失点の好投をみせ、幸先良いスタートを切った。続く2回戦の広島新庄戦は、9回表、渡辺大地のライト前タイムリーが決勝点となり7-6と接戦をものにした。清宮もタイムリーヒットを含む2安打を打っている。

初の甲子園では主に3番・一塁手として出場。夏の出場はこの大会が最後になった ©文藝春秋

 そして3回戦、東海大甲府戦を迎えた。お盆休みと清宮人気が相まって、朝7時前に満員札止めとなった第1試合は、4万5千人を超す大観衆がスタンドを埋め尽くした。

 東海大甲府の先発は2年生右腕・菊地大輝。180cm、83kgの大柄な体格が目につく。初回、一死二塁で打席に立った清宮は死球で出塁。早実は2年生の5番金子銀佑のレフト前タイムリーで先制する。その裏、東海大甲府は4番平井練のタイムリーで同点に追いつく。