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大阪の作家・津村記久子が語る「『探偵!ナイトスクープ』の七並べの回のような小説を書きたい」

テレビっ子作家・津村記久子インタビュー #3

 大阪出身の芥川賞作家・津村記久子さん。津村さんの小説にはお笑い芸人の名前がよく出てきます。特にバッファロー吾郎さんが好きだという津村さんに、『M-1』のことから、関西で絶大な人気を誇る『ちちんぷいぷい』や『探偵!ナイトスクープ』のことまで伺います。(全3回の3回目/#1#2はこちら)

「バッファロー吾郎」は「エジソン」「ヘレン・ケラー」みたい

―― 『八番筋カウンシル』の文庫解説を芸人の小籔千豊さんが書かれてましたけど、小籔さんはもともとお好きだったんですか。

津村 自分が芥川賞をとった直後に、会社帰りに電車で寝てて夢に見たんですよ。小籔さんが芥川賞を獲って『文學界』でエッセイを書いているという夢。で、その後に私の本を読んでくれてはったという話をどこかで聞いて。

―― 混濁してますね。

津村 そうそう。むちゃくちゃ混濁して(笑)。その夢で小籔さんがすごく真剣に純文学の未来を憂いてる記者会見をしてたんですよね。

―― あと作中にはバッファロー吾郎さんもよく名前が出てきますね。

津村 バッファロー吾郎好きですね。「バッファロー吾郎さん」っていうよりも、「バッファロー吾郎」ですね、「エジソン」とか「ヘレン・ケラー」みたいな感覚なんで。

毎年チェックする『オールザッツ漫才』

―― どういうところが好きなんですか。

津村 今すごく観れてるとかやないけど、10代の頃はすべてが好きでしたよ(笑)。(バッファロー吾郎が優勝した)『キングオブコント』第1回の決勝で言うと、「熊にまたがった市毛良枝さんがこっちに向かって来ています!」「違う、あれは市毛悪枝さんだ!」とかっていうのがもうほんとに好きなんです(笑)。「市毛悪枝」さんとかすごいなあと。

 瞬間的な笑いではもう圧倒的にバッファロー吾郎がすごかった。お笑いやととりあえず、『オールザッツ漫才』(関西ローカル、年末のお笑い特番)は毎年観てます。それ観ないとね、友達の話題についていかれへんから。ダイアンの西澤さんがやってる太秦の出番の空き時間を潰す俳優の岸大介と、守谷日和さんの女キャッチャーの話をずっとしてます。

―― それも社交なんですね(笑)。

津村 好きで観てるんですけど、友達と話すのが楽しみなんですよね。『M-1』でも決勝進出者が出揃ったら、ワクワクする。それでミキが出てきたら「おもしろいなー、でも去年(2016年)銀シャリが優勝したの考えたらすごい早いなあ」って勝手なことを友達の家で一緒に観ながら喋るのが好きで。

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