文春オンライン
「西野朗監督の会見がおもしろくて仕方がない」ロシアW杯取材記者の報告――2018上半期BEST5

「西野朗監督の会見がおもしろくて仕方がない」ロシアW杯取材記者の報告――2018上半期BEST5

2018/08/13
note

非常に難しい、不本意な選択だった

 ちなみに8番目の順位決定条件はFIFAによる抽選なので、本当にギリギリで突破したということ。また、ポーランドが先制した時点で日本は3位に落ちているので、コロンビアはセネガルと手打ちにしようということもできたはず。攻撃的なコロンビアに助けられた格好だ。

 西野監督は結局、前日の発言を撤回して、他会場の情報を選手に伝えた。しかも、コロンビアの勝利を信じるという他力本願な選択でもあった。ポーランド戦後の会見では、

「非常に厳しい選択でした。万が一ということは、自分たちのピッチでも他会場(コロンビア対セネガル)でもあり得た。不本意な選択。他力に頼っているのも良くないこと。観客からのブーイングを浴びながら選手にプレーさせたことも、自分の信条ではない。自分のスタイルは攻撃的というか強気というか……」

ADVERTISEMENT

©JMPA

 と、激しい言葉で自責の念を口にした。おそらく本当に、忸怩たる思いを抱えた選択を強いられたのだろう。前日の言葉もこの日の言葉も、どちらも本音なのだ。

 一方でこうもいう。

「勝ちあがれたこと、そこだけにフォーカスしたい」

©JMPA

 結果が出たのだから、誰になんと言われようとこれで良いはずだ。そう言わんばかりに西野監督は堂々と落ち着いていた。舞い上がる様子もなく、しっかりと次を見据えているのは過去2回の16強進出とはちょっと違うのではないか。

 あと2回くらいは、おもしろい西野監督の会見を見られたら良いなと思うのである。

「西野朗監督の会見がおもしろくて仕方がない」ロシアW杯取材記者の報告――2018上半期BEST5

X(旧Twitter)をフォローして最新記事をいち早く読もう

文春オンラインをフォロー