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影のMVPは順天堂・花澤だった――箱根駅伝「TVに映らなかった名場面」復路編――2018上半期BEST5

影のMVPは順天堂・花澤だった――箱根駅伝「TVに映らなかった名場面」復路編――2018上半期BEST5

【9区】東洋・小早川と握手した走路員の謎

西本 記憶に残っているのは鶴見中継所にいた走路員ですね。

マニア 走路員というのは、各大学の陸上部から派遣されるボランティアスタッフです。黄色いウエアを着てる走路員によって、箱根駅伝は運営されているんです。

西本 東洋大4年の小早川健が、ゴールした後に走路員を呼んで握手をしたんです。「彼は誰なんだ?」と気になり、ツイートで呼びかけたところ、まさかの本人から連絡がありました。なんと明治大学の中距離、保坂拓海選手だったんです。

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マニア 走路員のなかに有名選手が結構いるんですよね。さすがに桐生祥秀はいませんが、短距離の選手もいます。

西本 保坂も4年生なんですが、彼に気づいた小早川が呼び止めて「4年間お疲れ」って言ったらしいんです。「お前もな」って言葉が交わされて。勝ち負けとは違うドラマがありました。鶴見中継所は往路でも立ち寄ったんですが、「すみません」と呼び止められた学連スタッフが明治大学主務の本橋佳樹さんでした。「『あまりにも細かすぎる箱根駅伝ガイド!』を送っていただき、ありがとうございました。来年は走れるように頑張ります」と声をかけられました。そうやって箱根を走れなかったけど、有力な選手が沿道にいるんです。

ポール 予選会に出た学校は箱根駅伝のボランティアスタッフを出しますからね。