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すごいを通り越して恐怖すら感じる「こじるり」という才能――2018上半期BEST5

すごいを通り越して恐怖すら感じる「こじるり」という才能――2018上半期BEST5

勝俣州和さんを超えてます

2018/08/14
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こじるりが頭ひとつ抜けている理由

 その点でこじるりは頭ひとつ抜けています。先の放送事故的アクシデントでもその対応力は折り紙付きですし、バラエティ番組の最高峰『ヒルナンデス!』をこんなにも体現しているタレントさんは他にいないからです。

『ヒルナンデス!』って、マジで昼ごはん食べながら観る番組じゃないですか。昼ごはん食べながら、ツイッター見て、今日の夕飯どうしようかな、家賃振り込んだっけ?とか、食べると考えるを同時に行っているときに、『ヒルナンデス!』のホテル食べ放題情報や1万円全身コーデは春風のように脳みそを優しく撫でていきます。そしてこじるりは「女子高生に聞いた 先生になって欲しい有名人」というクイズにちょうどいい尺使って悩みながら「う~~~ん、星野源さん!」と120点の解答をします。視聴者はただ何らかの情報を見聞きしたという満足感だけを得て、午後の業務にかえっていくのです。

 一種の催眠効果があるこの番組でのこじるりは、糸につるされた5円玉的な存在。一見5円玉そのものは無意味に思えますが、その実5円玉にしか意味はない。意味のないところに生まれる意味ですね。

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千葉県出身の24歳 ©文藝春秋

あの勝俣州和をも凌駕する才能

 自分で書いててだんだんよく分からなくなってきましたが、とにかく素人にはとんと想像もつかないレベルの「無意味」を演出できるというのが、この小島瑠璃子という人のすごいところ。SNSで身を持ち崩すタレントが後を絶たない中、こじるりのツイッターを見て下さい。出演番組の宣伝、共演者からもらった差し入れの紹介、好きなドラマの話、地方で食べた美味しいもの……ひとっつも面白くない。マジでひとっつも面白くなくてすごい。そこには絶対に炎上させまいという強烈な意志を感じるのです。シンプルで柔軟で従順なバラエティタレント。ベッキーの、いや、全てのバラエティタレントの源、あの勝俣州和をも凌駕する才能の持ち主なのだと思います。


 だからこそ、驚いたのが少し前に出た熱愛情報でした。そりゃもうお年頃ですし、モテモテでしょうし、しかもジャニーズですし、初めてこじるりさんの人間的な部分を見せてもらえたと私は深い感慨を覚えた、のですが。やっぱり……絶妙なんだよなぁ……関ジャニ村上。

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