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川上 量生
2016/12/30

【この人の月間日記】ジブリで数学を勉強する

社長業、パパ業の傍らスタジオジブリにも通う日々

source : 文藝春秋 2017年1月号

genre : ビジネス, 働き方

1997年にIT関連企業ドワンゴを創業、KADOKAWAと経営統合後に持ち株会社カドカワの社長に就任

十月三十一日(月)

 月曜日はスタジオジブリに出社する日。午前中はジブリの会議室を借りて、数学の勉強をおこなう。その日の家庭教師は中澤さんで、テーマは「リーマン予想を理解する」。

 ただし、今年の三月からはじめて、いまだリーマン予想の説明は始まっていない。まず、リーマン予想についての説明を理解するために不足している数学の基礎知識の勉強を先月まで半年間かけてやった。十月からは、いよいよリーマン予想本体を理解するための前準備がはじまっている。この日はベルヌーイ多項式についての説明。いよいよ面白くなってきている。

 夜は開発体制について緊急に社内会議。今年になって社内の開発チームをわりと直接に見ることになったので、こういう突発的な会議が増えてきた。

書店で自著にサイン

十一月一日(火)

 一年半前にNHK出版で出した本(『コンテンツの秘密』)の宣伝イベントをなぜか今頃、八重洲ブックセンターでおこなう。DeNA取締役会長の南場智子さんに対談相手として出演してもらった。お互いサービス精神を発揮して、いろいろ喋りすぎたので対談内容の公開は止めて貰う。会場に集まった四十人ぐらいの人を相手に、なんでこんな、ずいぶんと効率の悪いプロモーション活動を単発でやっているのだろうと思った。やはり公開すべきか。いや、あれはできない。

十一月二日(水)

 朝から来年の新サービスの企画開発体制をどうするかという会議がつづく。

 夜は銀座の隠れ家的なレストランで会食。日本の法制度の欠陥を明るみに出すために、勝っても負けてもどっちでもいいから判例を残すための裁判をこれからするんだという話をしていたら、なぜか、お店の人が乱入。裁判の話で盛り上がった。

十一月三日(木)

 文化の日。さいたまスーパーアリーナで開催している自社イベント「ニコニコ超パーティー」を家族で見に行く。ネットユーザーが主役のイベントで、出演者もプロはあまりいない。出演者も楽しめるようにというコンセプトで楽屋が屋台村みたいになっていてお祭り会場の一部になっている。

 二歳になったばかりの娘は、去年に続き二回目の参加。音楽にあわせて、なぞの踊りをずっとしていた。クラブで夜な夜な遊び回る娘の未来を想像し、心配になる。