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嵐のメンバーも気遣った 神整備「阪神園芸」が語った甲子園の流儀

嵐のメンバーも気遣った 神整備「阪神園芸」が語った甲子園の流儀

球児の聖地、そこはもはや芸術の域のグラウンド

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嵐のメンバーはグラウンドを気遣ってくれた

 そんな阪神園芸のグラウンドキーパーたちにとって、この夏の甲子園開幕2日前に、嬉しい出来事があった。8月3日のミュージックステーション、嵐の甲子園生中継パフォーマンスでのことだ。

「甲子園のグラウンドでのパフォーマンスについては、今年の初めにはすでに、テレビ局から相談を受けてて。どうしてもやりたいんですけど、どういう方法であればやれますかねという内容でした」

 グラウンドでの嵐のパフォーマンス。実は、内野ではなく、ファウルグラウンド内で行われた。

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「嵐のメンバーたちが、ダイヤモンドの中に入るのはやっぱり球児たちに失礼だと言ってたみたいで。球児たちのことを考えてくれてる、グラウンドを気遣ってくれてる、それがすごく心にしみましたね」

 選手たちのプレーする地面を傷つけないよう、日ごろから足を引きずらないことを徹底しているグラウンドキーパーたち。そんな彼らにしてみれば、自分たちと同じようにグラウンドに気を配ってくれる存在は、尊く映ったはずだ。

史上最高のグラウンドが用意できている

 最後に、金沢氏に、グラウンドキーパーとして第100回記念大会に出場する球児たちに伝えたいことを聞いてみた。

「僕としては、本当は、100回であろうが99回であろうが関係ないんです。どの年の大会も、球児たちにとっては1回きり。記念大会だから、なんとか今年だけはしっかりと、なんていう仕事のしかたはしていないので。ただ、天気のおかげもあって、今史上最高のグラウンドが用意できていると思います。その上で思いっきりプレーしてくれれば嬉しいですね」

 

 球児たちの足元に目を向け、グラウンドに施された職人技に思いを馳せてみる。今まで想像もしていなかったところに新たな野球の面白さが見えてくるかもしれない、そんな夏の甲子園第100回大会である。

阪神園芸 甲子園の神整備

金沢 健児(著)

毎日新聞出版
2018年8月2日 発売

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