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和室にベッドが基本です ホテルのような温泉宿が流行る理由

2018/08/28

genre : ライフ

 ホテル評論家として、ステイはもちろんグルメ、社会問題までも書き散らしているが、時々「温泉の評論はしないのですか?」と聞かれることがある。恐らく、温泉宿の快適さや食事のクオリティなどへの批評を期待されていると思われるが、肝心の温泉そのものについての知識は残念ながら乏しい。温泉ジャーナリストといった専門家の中には、泉質や効能といった化学的な領域まで詳しい方も多く、全国数多ある温泉を制覇するといったスゴイ方もおられる。

「温泉が苦手」なホテル評論家

 もちろんホテル評論家とはいえ、温泉宿への宿泊経験も枚挙に暇がない。一方で誤解を恐れずに言うと、“温泉への苦手意識”がある。体質の問題か、温泉宿に宿泊した翌日体のダルさを感じることが多い。温泉の効能で、日頃ため込んだ疲れがドド~っと出るのだろうか。

 何日間もかけてゆっくり滞在すれば楽になるのかもしれないが、あいにく温泉宿に連泊した経験はなく確証は得られていない。

 

 温泉宿独特の滞在環境が影響しているとも自己判断している。日常的に過ごす自宅やホテルは洋室がほとんどでソファとベッドの生活だが、温泉宿の和室では座卓に座布団、敷き布団という環境なので体が慣れないということもある。また、ホテルは完全個室が基本だが、温泉宿では仲居さんが客室に入ってきたり、夕食や朝食で部屋を空けている間に布団が上げ下ろしされている。この温泉宿特有ともいえるプライバシー性へ対しても、宿泊する我ながら気遣いをしていることに気付く。