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進化した「投資信託」で資産を守りながら効果的な資産形成を

1998年12月に銀行窓口での販売が開始されてからまもなく20年、投資信託は個人投資家にも馴染みのある資産形成手段となりつつある。その投資信託は進化を続け、元本確保をめざすものも登場している。


「貯蓄から資産形成」が浸透しきれない現状

「貯蓄から資産形成へ」という言葉に触れる機会が増えている。その背景にあるのが、長引く超低金利環境だ。日本銀行は、物価上昇2%を達成するまで強力な金融緩和政策を継続する方針を明確にしている。その結果、預金金利は大きく下がり、1000万円を定期預金で一年間預けても利息が1000円つくかどうかの水準となっている。

 もう一つの大きな要因が、将来の年金不安だ。日本の年金制度は、今の現役世代から集めた掛け金を、今の年金受給世代へ渡す仕組みとなっている。ところが日本では、少子高齢化の急速な進行により現役世代が減少していることから、年金生活者を支えることが困難になりつつある。実際に、年金受給開始年齢の引き上げに向けた議論も盛んに行われており、資産運用の必要性が叫ばれている。

 しかしながら、投資信託や株式といった資産形成に適う商品の普及が広く進んだかというと、実態は充分とは言えない。日本における家計の金融資産に占める株式・投資信託の割合は、米国や英国と比べてかなり低い。近年では、NISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)といった制度面の後押しはあるものの、預貯金優位の状況は長らく変わっていない。

「元本確保」のニーズに応える新しい選択肢

 では、「人生100年時代」とも言われる中、収入が大きく減少するリタイア後の生活に対して不安が絶えない状況下で、預貯金に代わる商品としてどのようなものが検討できるのだろうか。

 選択肢の一つが、個人向け国債だ。日銀の金融政策の影響により、例えば変動金利型10年物の初回利率は0・1%未満に過ぎないが、この利率水準は預貯金金利より高く、最低金利として保証されている。直近は、償還額を上回る発行が継続しており(下図)、元本保証かつ預貯金よりも少しでも高い利回りを求め、直近一年間で3兆円以上も購入されている。しかし、現在の超低金利環境が長期間継続する可能性が高いことを勘案すると、十分な利回りとは言い難い。

 
 

 そこで、もう一つの選択として、「投資信託」に目を向けてみよう。

 2017年に投資信託協会が実施したアンケートによると、投資信託の不満点として、「元本保証」がないことが51%を占め、個人投資家が購入に踏み出す際の最大の障壁になっている。また、投資信託で重視するポイントは「値上がりへの期待」よりも「安全性の高さ」との回答が最も多く、投資家にとって元本の保全性が重要な要素となっていることが読み取れる。

 投資信託は、株式や債券、リートといった値動きのある資産へ投資することから、元本は保証されない。その一方で、商品の仕組みを工夫することで「償還時に元本を確保」と「国際分散投資戦略によるリターンの獲得」をめざすという、投資信託の不満を軽減し、投資家の期待に応えようとする商品も登場している。

 資産を守りつつ、かつ少しでも高いリターンを求めるニーズへの新たな選択肢として、進化を続ける投資信託の活用を考えてみてはいかがだろうか。


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