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沖縄県知事選 発言で読み解く「沖縄vs.安倍政権」と「日本会議」

一騎打ち、その対決の構図とは

2018/08/25
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佐喜真淳前市長と安倍首相のつながりは?

佐喜真淳 宜野湾市前市長 
「これからの行動については、日本会議が持つさまざまな政策あるいは施策等について吟味しながら、私が同意できるものに対しては、やっていきたいと思う」 
ぎのわん市議会だより 第84号(2012年9月10日) 

 2012年6月、宜野湾市議会の定例会で質問に立った桃原功議員は「市長が加入されている日本会議、どのような団体なのか」「これからも日本会議の活動を続けていくのか」と問いかけた。上記が佐喜真氏による回答である。日本会議のメンバーであることも否定していない。 

©iStock

 2014年に開催された「沖縄県祖国復帰42周年大会」では佐喜真氏が「閉会の辞」を読み上げている。日本会議ウェブサイトに掲載されている動画を見ると、「この42周年を機に、さらに私どもは日本人としての誇りを持たなければならない」と強調していた。また、会の冒頭で那覇市の保育園児たちによる教育勅語の「奉唱」が行われたことも話題になった。昨年話題になった森友学園が運営する保育園でも教育勅語の暗唱が行われていた。安倍昭恵首相夫人が感動の涙を流したことでも知られている。 

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 安倍晋三首相をはじめ、麻生太郎副首相ら、現在の安倍政権に関わる多くの人は日本会議と関係が深い。安倍首相は日本会議国会議員懇談会の特別顧問を務めている。安倍政権と佐喜真氏は“日本会議つながり”と考えていいだろう。 

 2014年の沖縄知事選で翁長氏と争った仲井真弘多元沖縄県知事は、自民の推薦を受けていたが、在日米軍基地問題や歴史問題については政府と一線を画す態度をとっていた。それに比べると今回の選挙は「保守対革新」ではなく「沖縄対安倍政権」であることが一層鮮明となった。今後の選挙の動向に注目である。 

沖縄県知事選 発言で読み解く「沖縄vs.安倍政権」と「日本会議」

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